「秋季練習が終了したわね!」
結乃が気を引き締めていう。
「話題の多い秋季練習だったね!」
理衣が声を弾ませて言う。
奄美大島のキャンプから、新しくなったDOCKでの秋季練習もこれで何回目?
秋季キャンプと異なり、全員参加、全体練習なしの秋季練習。
それは良い方向性だと思いたい。
「ここで連係プレーとかやっても、2か月も空いたらってのはあるし、まずその前に個人のレベルアップが必要だからね」
「春季キャンプでは連係プレーや実践的な練習が多くなるからね」
「個の練習に力点を置けるのはやっぱり秋よね!」
「実りの多い秋だと良いね!」
その実りを多くするために、新たなコーチ陣が次々と発表され、そして練習にも参加してくれた。
斎藤隆、鈴木、小杉、さらに石井、相川、そして小谷さん。
頼もしい名前が次々と出てきたこの組閣は、多くのファンを沸かせてくれた。
「まー、世間の話題は日ハムの新庄にかっさらわれているけれど、横浜ファンはものすごくわいたからね!」
「特に石井さん!」
「CSで巨人が敗退した直後から沸いたベイスターズ界隈だったからね」
「嬉しい人事が続いたね!」
周りを固めるのはフロントがやってくれた。
あとは、選手たちがこの秋季練習でどれくらいレベルアップしたか。
そして、それを失うことなく2月のキャンプインにどのような状態でやってくるか。
「最下位チームなんだから遊んでいる暇はないわよ! キャンプインの時にだらしない姿でやってくることなんてないように!」
「そこは新庄監督のいうことにも繋がるよね」
「新庄はそういう言葉が上手いわよね、さすがね」
「他球団の選手も、刺激は受けそう!」
他の球団であろうと、良いところは取り入れて構わない。
何せ最下位、これ以上に落ちるところはないのだから。
「さー、春季キャンプが楽しみよ! 色々な意味で! 見に行けると良いけれど!」
「そればかりは、今後の状況次第だけどね」
いずれにしても。
22年が楽しみになる秋の動きでしたね。