「7回までは良い感じだったんだけどね!」
渋い表情をして言う結乃。
「うーん、こういう試合もある・・・?」
なんともいえない表情の理衣。
8回に集中打を浴びて逆転負け。
開幕前で良かったと思いたい。
「まー、先発の大貫は7回1失点と、こちらも順調なのは良かったわね」
「そうだね、四死球も一つだけと、打たせて取る投球ができていたね」
「東、大貫で、安定してシーズン投げてもらわないと困るからね!」
「一安心の投球でした!」
「問題はエスコバーよ!」
「この日も集中打、1死しか取れず4失点、自責点3で敗戦投手になっちゃった」
「パリーグ相手は駄目とか、そういうことなのかどうか?」
「確かに、オープン戦の防御率17点台だしね」
実績ありといえど、さすがにオープン戦でこの成績で首脳陣はどう判断するか。
7、8回と大事なイニングを投げる役割だけに、こだわって起用して失敗、とかになると昨年の二の舞になる。
とはいえ、打たれているのはパリーグ相手、というのは事実でもある。
「ちょっと状態分からないけれど、今までの実績もあるし、悩ましいところね・・・」
「左なら池谷投手も面白いけれどね」
「調子のよい健二朗とかと分担して、7回、8回を乗り切りたいわね」
「本当に、どうなるかな」
今のエスコバーを起用するのは怖い。
「打線は少ないヒットで4点取ったのは評価したいけれど」
「5安打だもんね」
「犠牲フライで2得点も良いし」
「何より牧選手、宮崎選手が頼もしい!」
とはいえ、オースティン、ソトが間に合わない場合、この二人がポイントゲッターなわけで、ここが不調になると痛い点にもなる。
「大田も今の状態じゃ全然だし、うまくいかないものね」
「そんな状況でも、昨年よりは良いでしょう!」
「まあ、そこを前向きにいくしかないわね」
「選手の意識も変わっているし!」
まだミスも多いが知野も頑張っている。
桑原もようやくヒットが出た。
なんとかやっていきたい。
「さ、オープン戦も残り1試合! 勝って終わりたいわね!」
「今日負けちゃったから勝率で優勝はないのかな? でも3位以上は確定だよね!」
さあ、どんな試合を見せてくれるのか。
変な試合は見せないでくださいよ?