「康晃も陽性判定が出たみたいね!」
結乃が言う。
「止まらないねぇ……」
元気も出ない理衣。
「さらにオースティンが右ひじ手術のため帰国!」
「うーん、踏んだり蹴ったり!」
「もう何を言っても仕方ない、他の選手はチャンスと思ってやるしかないわね!」
「オースティン選手は来季に向けてって感じかなぁ、もう」
なんともはや、三浦監督になってから色々なことが襲うものである。
こうなると、練習も完全に個人個人に、ともなりかねない。
康晃と一緒に練習していた選手は大丈夫なのか? というのも出てくるし。
「果たして、沖縄での試合は開催されるのかどうか・・・」
「もし開催されるとしたら、どうなるんだろうね?」
「その場合のメンバーを予想してみましょう」
「どうなるか分からないけれど、色々と想定はしておかないとね」
「とりあえずソトとクリスキーがあがるようなので、その前提で」
「そこだけが少し救いかもね・・・」
<スタメン>
1.関根(センター)
2.知野(ショート)
3.佐野(レフト)
4.宮崎(サード)
5.ソト(ファースト)
6.大和(セカンド)
7.細川(ライト)
8.山本(キャッチャー)
9.投手
<控え>
捕手:益子
内野:田部、伊藤、田中、小深田
外野:蛯名、梶原
<中継ぎ>
三嶋、エスコバー、クリスキー、ピープルズ、田中、入江、伊勢
「えーと、この中に出場できない選手はいない?」
「それすらも分からなくなってきたよね・・・」
「ていうかこの打線じゃどうしようもないというか、佐野、宮崎、ソト、大和で点を取るしかないから、むしろこの4人を1番から4番に並べて少しでも点を取れる確率を高くする?」
「そういう大胆な打線もありかもね」
何せ、選手が足りなすぎる。
が、若手の選手、知野や細川などにとっては、もし試合が行われればチャンスかもしれない。
「代打も代打の機能を果たせなさそうだし・・・」
「いやいや、こういうところで何かあるかもよ!」
「そうねぇ。現実的には中止? 沖縄遠征ってのもねぇ」
「まあ、そうだよね・・・」
果たして試合は開催されるのか。
その後もどうなるのか、でも、こういうときこそ踏ん張って欲しいですね。