「浅田も戦力外かー」
結乃が唸るように言う。
「まだ若いんだけどね」
理衣も残念そう。
世界大会などでも活躍した。
打撃の方でも高校通算29本。
ドラフト下位とはいえ、スケール感の期待はあった。
「怪我、故障に苦しんだわね」
「それで結果も出なくてね」
「2022年は0勝6敗1セーブ、防御率11.92、だしね」
「この成績だと苦しいね」
それでもまだ高卒3年目。
様子を見るという判断もなかったか。
「ただ本人も現役引退を決断して、無理だと思っていたのかもね」
「そういうところも球団は見ていたのかもね」
「でも、スパッとやめたというのは良いかもね」
「まだ若いし、本人もまた新たなステージに向けて前向きみたいだしね」
次に何をするのかは分からないが、プロ野球の世界で3年間過ごしてきた事実は変わらない。
そのことを抱えて頑張って欲しい。
「こういう若い選手がきられるのも、シビアだけれど仕方ないわよね」
「若いチームだと、若い選手もきられちゃう!」
「まあ、それは他のチームでも同じだけどね」
「本当に、一年一年が勝負です」
浅田のようにドラフト下位だと、もう一年まとうかという判断もされないことも多いだろう。
「とにかく、3年間ありがとう!」
「また次のステージで!」