「ソトがプエルトリコ代表に選出されたわね」
結乃が淡々と言う。
「チームの選手が国の代表に選ばれるのは嬉しいことだよね」
理衣は笑顔で言う。
プエルトリコも野球の強豪国であり、勝ち進んでくる可能性は十分にある。
「そうなったとき、開幕に間に合わない可能性もあるからね」
「嬉しいやら悲しいやら」
「ちなみにエスコバーもベネズエラ代表に選ばれているから、そうなると開幕から4人が不在となる可能性があるわね」
「当たり前だけどいずれも投打の主力で四人とはね!」
- エース
- 4番
- セットアッパー
- 4番も打てる外国人強打者
「この4人が同時にいなくなるとかね!」
「まあ、そういう選手だからこそ選ばれているんだろうけれどね」
「早々に敗退すれば、チームにすぐ合流して開幕に間に合うのかもだけど、そうならない場合も考えないとね」
「どうやりくりするか、だね」
まだ分からないが、内野は手薄になることは間違いない。
ファーストに佐野をもってきて、セカンドは大和、柴田、林、といったところでオープン戦次第か。
外野は桑原のほか、楠本、アンバギー、蛯名、大田、あたりで競うか。
中継ぎはまだ人材がいるが、左腕が不在になってしまう。
「いやー、WBCで主力がいなくなるのは他のチームも同様なんだけど、やっぱ辛いわよね」
「でも本人たちには頑張ってもらいたい!」
「同じこと何度も言うようだけど、残されたメンバーにとってはチャンスだからね」
「主力が戻ってきても場所がないくらい活躍してくれていればね!」
近年、そういうチャンスを活かす選手が出てこないのが寂しい。
今回はどうなるでしょうかね。