2023年6月4日 西武戦
結果:横浜5-4西武
敢闘選手賞:楠本、上茶谷、桑原
「まさかの逆転勝利!」
結乃が飛び上がる。
「実は今日、現地観戦でした!」
理衣も両手をあげる。
7回までは全く勝てる気配のなかった試合だった。
しかし、色々な転換点があった。
「まずは6回よね。失点した回」
「踏ん張り切れなかったね」
平良には案の定、初回を除いてはほぼノーチャンスのまま進み。
ガゼルマンは走者を出しながらものらりくらりとかわしながら5回まで0-0。
しかし6回、やはり四球を2つ出してランナーをためてしまったのが痛かった。
「まあガゼルマンは前回7回1失点で負け投手になったりしたし、こういう日もあると、打線の援護で負けはなくなったし」
「次回に雪辱を!」
「この回4点を取られたけれど、4点で踏ん張ったのが逆転につながったと思うのよ」
「地味に桑原選手の守備で5点目を防いだのは大きかったよね」
古賀の2塁打を、フェンスまで到達する前に止めた。
あれが抜けていたら、1塁走者もホームインしていたはずである。
「そしてなお1死2、3塁で登板した上茶谷が無失点で抑えたことね」
「打席には投手の平良選手とはいえ、きっちり抑えたね」
「ということで、敢闘選手に上茶谷と桑原をいれたわ!」
「そういうところも大事です!」
「まあ、平良の出来を考えたら最初の2点タイムリーの時点で交代しておけば、ってのはあるけれどね」
「それは、まあ、ねえ」
そして8回の表。
入江が2人のランナーを出したことで、結果的に平良に代打栗山が出て、平良がかわったことが吉と出た。
DHのないセリーグでの試合だからこその流れだろう。
「仮に平良まで回らなければ8回も投げただろうしね。というかあれ、それまでの投球内容と球数から、あのまま平良が打つと思ったわ」
「4点あったし、それはチームとしての作戦だよね」
「これが6回にもう1点とか取られていたらまた違ったかもだしね」
「この辺のあやだよね」
完全に抑えられていた平良が交代したことで、あと2イニングでなんとかならないかとは思ったが。
「先頭の代打・大和がいきなりあとちょっとでHRの2塁打!」
「さすが大和さんです、頼りになります!」
「HRにならなかったけれど、むしろソロHRよりランナーためたかったからね。しかも2塁打なら佐野もゲッツーないし、一番良い結果だったと思うわ」
「佐野選手がチャンスを広げ、関根選手の打球は相手のエラーを誘いました!」
ここのラッキーが非常に大きかった。
こうなると完全に流れは横浜に傾いていく。
「宮崎がきっちりタイムリー、牧の内野ゴロで得点、そして代打の切り札、楠本が同点打!」
「本当に代打で頼りになります!」
「5点目も、戸柱のラッキーな内野安打」
「一生懸命に走りました!」
この辺は本当にもう、流れであり勢いであったのだろう。
最後は山崎が横浜スタジアム100セーブ目をあげて見事に逆転勝利を飾った。
「いやー、こんな価値が出来るとはね。やっぱり投手が打席に立つ試合だからこその難しさよね」
「DHだったら平良投手も続投したかもだしね」
とにかくこれで3連勝。
阪神が負けないというのはあるが、パリーグの下位球団である楽天、西武からきっちり勝ちこせたのは大きい。
「このまま3タテしたいわね! 先発は平良、相手は初戦に予定していた松本ね」
「十分に勝てる確率はあるはず!」
「やっぱり序盤で失点せずに中盤までいければ中継ぎの強さで価値の可能性が高まるから、平良、頼むわよ」
「もちろん、序盤から打線が援護できれば一番なんだけどね」
4連勝めざして!