「さて、阪神と11ゲーム差で優勝は相当に難しくなったわけだけど」
結乃が落ち着いて言う。
「阪神さんがここにきて10連勝だもんね」
理衣も力なく頷く。
現実的にはAクラス争いというわけだが。
そこも、非常に厳しい状況である。
「中日に3連勝したけれど、巨人戦で今までと変わらないってところを見せられたからね」
「打線は奮わず、投手陣もちょっと、打たれたね」
「それもそうだけど、やっぱり選手起用がね、中堅からベテラン偏重で、若手はちょっと起用してちょっと駄目だとすぐ落とすのがね」
「一軍は育てる場ではない、というのはそうだけれど」
「だからって、我慢は必要でしょうよ!」
「難しいところ・・・だね」
果たして誰が最終的に決めているのか。
若手を起用して全然ダメだったときに叩かれることを恐れているのか。
それとも、本当に一軍で起用するに値しないと評価しているのか。
でも、それだったら二軍から推薦されないよな、とも。
「とにかく、先発ローテもスタメンも平均年齢がどんどん高くなっているからね!」
「この2~3年後が怖い、ってやつだね」
「それでも、優勝の可能性がゼロになり、CS確定、もしくはCSの可能性が消滅するまでは起用しなさそうだけどね」
「コメントに困ります」
完全に他の球団と比べているわけではないけれど、この2-3年で横浜程若手が出てきていない球団はないのでは?
そう思えるくらい、新鮮さがない。
もちろん、ドラフトに起因しているのかもしれないけれど。
「投手なら石川、宮城をどんどん使って、あとはもう中川とか深沢とか出せないのかしらね」
「先発ローテも空いているしね」
「今永、東、バウアー以外はいないからね。この前濱口が好投したとはいえ、まだ2枠あるし、若手先発いないのかしら」
「なかなか起用しないよね」
育ってきていないというのも現実にあるのかもしれないが。
宮城とかもともと2軍で先発していなかったか?
中川や石川も中継ぎになってしまったが、先発はないのだろうか。
「野手も含めて、そういう起用をしてくれないのが三浦政権の寂しいところよね」
「戦力が整って優勝を狙えると思ったからこそ、実績のある選手で勝ちにいったんだろうけれどね」
「それがうまくいかないと、優勝は厳しく若手も育っておらず、というのが今の状況か。うーん、悲しいわ」
「ま、まだまだこれから、この後も試合はあるし!」
さて、どうしていくでしょうかね、首脳陣は・・・