「第一次戦力外通告が出たわね」
厳しい表情で結乃が言う。
「毎年、辛い時期だね」
理衣も悲しそうに言う。
まず、10選手が発表された。
平田真吾投手
田中健二朗投手
笠原祥太郎投手
池谷蒼大投手
宮國椋丞投手
田中俊太内野手
加藤大投手
スターリン・コルデロ投手
東出直也捕手
大橋武外野手
支配下が6人、育成が4人。
合計10人である。
「うーん、なんとなく想像していたけれど、やっぱり辛いわよね」
「健二朗さんはまだ出来ると思うんだけど」
「それでも来季の構想外ということで、本人のために戦力外にするしかないんでしょ」
「厳しいねぇ」
リリーフとして初のCS進出に貢献してくれたのは忘れない。
今シーズンも、決して悪いという感じではなかったのだが。
「とはいえ、チームとしては入れ替えは必要だしね」
「まずは、今までありがとうございました!」
藤田が引退。
今永はメジャーの可能性が高く、バウアーもどうなるか分からない。
他にもFAを得た戸柱や石田、結果を残せなかったアンバギー。
諸々を考えると、これ以上の戦力外は、ないかもしれない?
「あとはドラフト次第、ってところかしらね」
「まだ油断はならないかぁ・・・」
戦力外の話はありつつ。
チームとしてはいよいよ最後の143試合目、2位をかけての最終戦。
「先発はやっぱり東と山崎!」
「ここできっちり勝ちたい!」
「ここで負けたら東の最高勝率も飛んでいくかもだからね、絶対に勝つわよ!」
「山崎投手は苦手な上に10勝がかかっているからね」
「しかも東京ドーム、嫌な条件はそろっているけれど、こういうところで勝ちきらないとそもそもこの先も優勝なんてできないわよ!」
「ファンもみんな、心を一つに応援します! 勝ちましょう!」
さあ、いきましょう!