「いよいよFA期限! 石田が宣言して、戸柱が残留したわね」
ニュースを見て結乃が言う。
「これはもう、本人の判断を尊重するしかないね」
理衣も複雑な表情で言う。
伊藤光、柴田は残った。
そして宣言するかと考えられていた戸柱と石田。
そのうち、石田が宣言を決意した。
「これはもう、仕方ないところよね。球団としても慰留はしたようだし」
「本人が獲得した資格だしね」
「2023年、先発として4番目にイニングを食ったのよね。これで今永、バウアー、石田と、先発がいなくなるわけで」
「バウアー投手はまだ可能性はあるけれどね!」
それでも投球回数2~4番が揃っていなくなる。
分かっていたけれど、本当に残っている投手にはチャンスになる。
「先発だとどうしてもテンポの悪さとか、味方の得点後の失点とか、長いイニング投げられないとかあるんだけどね」
「中継ぎにとは思っても、本人が先発をやりたいならね」
「Cランクだし、左腕で、どこかは手を上げるでしょうね」
「それでもまだ宣言残留の可能性もあるしね」
いずれにしても本人の納得いくようにしてほしい。
「一方で戸柱は残留したわね」
「ファンとしては一安心だね!」
「とはいえ本人も悩んだでしょうね。山本が台頭して、松尾や上甲もいて、2024年はさらに立場も厳しくなるでしょうし」
「でも、その戦いに勝ち残ること、そしてチームへの愛着を感じてくれたってことだよね」
もしかしたら他の球団の動きが芳しくなかったのもあるかもしれない。
だけど球団としても、ある程度出場しているベテランキャッチャーが万が一、同一リーグに出た場合の拙さを理解して慰留に務めたであろう。
長期契約と噂されているのも、その辺を考えてのことだろう。
「本人も一塁の守備に挑戦したりして、なんとかって思いもあるみたいだしね」
「うまくハマるといいよね」
大和や京田が一塁を守備するくらいなら、一発長打の可能性がある戸柱の方が打撃的には期待ができる。
捕手ができるのも、それが強みになるだろう。
「決めたからには二人とも、決めたところで全力で戦うように!」
「ファンも全力で応援しますよ!」
さて、そうなると本当に投手の補強、どうするかですね。