「筒香が日本球界復帰のニュースが出たわね」
結乃が腕組みをして言う。
「戻ってくるんだね!」
理衣も続く。
2020年にメジャーに挑戦して4年、満足した結果は得られなかったかもしれない。
しかし、子供の頃からメジャーに憧れ、実際にメジャーリーガーにもなれた。
NPBで成績を残さなければチャンスはなく、そこできっちり結果を出してポスティングでアメリカに渡った。
それは紛れもない事実であり、少なくとも夢は叶えた。
メジャーで活躍してメジャーリーガーとして十分な実績は残せなかったかもしれないが、それは結果だから仕方ないだろう。
「だから、恥じることなく日本に戻ってきて欲しいわね!」
「メジャーに昇格するため、ずっと頑張ってきたもんね」
「あとは、どこの球団に所属するかよね!」
「うう、これはやっぱり、横浜に戻ってきて欲しいです!」
背番号25をあけて待っている。
出ていくときも気持ちよく送り出し、本人も戻ってきたいと言っていた。
それを信じたい。
「ポジションがどうとか、若手の出番がとか言っているけれど、ポジションなんて奪うものなんだし、筒香を越えれば出られるんだから!」
「それよりも横浜に筒香選手がいる、ってことを大事にしたい!」
「そうそう、それよ。もちろん、筒香の気持ちが大事だけどね、戻ってきて欲しいわよね」
「将来的なことも含めてね」
今のメンバーにも筒香とプレイしていた選手はまだ残っているし、周囲を威圧するような人間性でもない。
本人だってポジション確約なんて思っていないだろうし、佐野、オースティン、宮崎と競い、協力し、戦ってほしい気がある。
「巨人に入団、なんて飛ばし記事は信じないわよ!」
「さすがにそれはないと思いたいね」
「そういう不義理な人間じゃないと思う、のよ」
「絶対にそうだって!」
さて、果たして事実はどうなるか。
筒香の口から結論が出るのを待ちましょう。