「はーっ、3位か4位か、なんともはや」
結乃が力なく言う。
「厳しい戦いが続いているね」
理衣が続けて言う。
4位の広島とは0.5差。
優勝の芽がほぼなくなった今、現実的なのはAクラスに入れるかどうか。
しかしこのAクラス争いも、広島がこの9月に歴史的な大失速をしているからなっているわけで。
「最後まで上を目指すのはプロとして当然として、それでも無理して3位になってもなんて思ってしまう自分もいたりして」
「いやいや、まだまだ1位、2位を狙いましょう!」
「これだけ先発がいない中でこのゲーム差で、ちょっとねー」
「現実を見ている・・・」
まあ、その辺は考えずに1試合1試合、勝利を目指して戦うしかない。
東で負けてチームとしては厳しい状況で、次は優勝を目指す巨人との2連戦。
正直、チーム状況的にもモチベーション的にも厳しい試合ではある。
「さらに相手が戸郷、山崎伊織とくるからね」
「山崎投手はこのところ良くなくて抹消されていたんだよね」
「横浜戦では無双するからね。そろそろ打ち崩してくれないと困るんだけど」
「そうだね、横浜での試合だし、勝ちましょう!」
こちらはジャクソンとケイ。
巨人打線も絶好調というわけではないので、先発が抑えてロースコアに持ち込めば可能性はある。
「ジャクソンも5回くらいまでは良いんだけど、6回くらいにいきなり打たれ出したりするのよね」
「球数かな? 交代時期が難しいね」
「しかし中継ぎ陣が不安定だけに、僅差だと厳しいわよね。特に相手は優勝目指して集中力も高まって、こっちの隙を見逃さないし」
「そういう相手に勝ってこそ、です!」
チームとしては梶原が一気に急降下して全く打てなくなった。
対策もされただろうし、調子も落ちているだろう。
さすがにブレーキ過ぎて1番に置くのは厳しく、そろそろスタメン交代もありえる。
「さて、優勝を目指すイースタンでは先発した大貫が大炎上したわね」
「巨人さんが勝ってゲーム差も1.5に縮まり、大貫の選手の一軍登録も遠のいちゃったね」
「しかし、となると最後の8連戦は誰が先発するのやら?」
こうなったらむしろ若手を先発させても良いのではないか・・・
といっても深沢、森下は手術し、あとは松本や小園くらいしかいないのか。
「イースタンも最後までどうなるか分からないけれど、ここまできたら優勝したいわね」
「残り僅か、頑張ってください!」
二軍も一軍も残り試合、全力でいきましょう。