「さて、ＣＳも終わって日本シリーズに向けて準備するわけだけど」
結乃が腕組みして神妙な顔をする。
「その前に、石川投手の戦力外のニュースが飛び込んで来たね！？」
理衣が驚きの声をあげる。
もちろん、第一次戦力外だけで終わる思ってはいなかった。
しかし、貴重な左のリリーバーの石川を戦力外にするとはあまり想像していなかった。
「もちろん、安泰の立場ではないだろうけれど、ちょっと意外だったのは確かよね」
「成績もそこまで悪くないのにね」
「一軍の左腕リリーフも坂本一人だし、そういう意味でもね」
「一軍でも通用していたしね」
枠を開ける必要があるのに加え、球団としてなにがしかの判断が入ったのだろう。
本人からは、素行とかの問題ではないとＸでポストがあったようだが。
「うーん、分からないところを変な想像してもなので、置いておきましょう！」
「とりあえず今は日本シリーズに向けて、か。。。」
「まずは先発予想よ！」
「恒例だね」
１戦 ジャクソン
２戦 ケイ（中５日）
３戦 大貫
４戦 濱口
５戦 ブルペンデー
６戦 ジャクソン
７戦 ケイ
「うーん、とりあえずこれが今考えるノーマルかしら。東は投げない前提で」
「まあ、そうだね。吉野投手はさすがに、って感じか。ブルペンデーの日かな」
「そうね。でも他のパターンもあると思っているわ」
「ほう、例えば？」
＜２案＞
１戦 ジャクソン
２戦 濱口
３戦 ケイ
４戦 大貫
５戦 ブルペンデー
６戦 ジャクソン
７戦 濱口
「２０１７年シリーズのことも踏まえ、横浜スタジアムで濱口登板！」
「思い切った策だね！」
「今シーズンの成績なら２戦目はないけれど、ケイが中５日になるし、ケイは打撃面でもノーヒットだからね」
「濱口投手の方がバントとか含めて打撃面に期待できる、と。ＣＳでも４イニングとはいえ好投したもんね」
何より２０１７年の８回途中までノーヒット投球がある。
当時と相手のメンバーも異なり、濱口の立ち位置も異なるとはいえ、どうだろうか。
仮に濱口がダメダメだった場合、一応、ケイが中４日で最終戦にいける。
いずれにしても総力戦であろうから、ＣＳファイナル６戦目のような役割をしてくれれば良い。
「あともう一つは、東が間に合って第５戦に投げるパターンね！」
「無理はしてほしくないけれどね」
「あるとしたらＤＨで打席のないドームで、尚且つ可能な限り期間のあく５戦目しかないと思うけれど」
「万全なら、ね」
いずれにしてもジャクソン、ケイ、大貫、濱口、この４人が先発の軸になるのではないかと予想。
「ソフトバンク打線は強力だけど、秋の横浜スタジアムは寒いわよ！ そして２０１７年より座席数も増えたファンが３６０度取り囲む声援！」
「多分、パリーグのどの球団とも違う応援だろうからね」
「すり鉢型で且つ狭い球場をホームとしている、その利点を応援で活かさないとね」
相手を飲み込むような大声援。
実力では確実に劣るだけに、ファンの声援も力に変えたいところ。
「いずれにしても、あの強力打線をどれだけ投手陣が抑えられるかが肝よ！ 冷えていた巨人打線とは違うからね！」
「いやー、怖いね」
「ここまで来て怖がっても仕方ないわ！」
「そうだね、ファンがそんな気持ちでいてはいけません！」
２０１７年もそうだったが、今シーズンは更に怪我人だらけで満身創痍でソフトバンクに挑むことになる。
それでもセリーグでソフトバンク相手に可能性が高い方ではないかとも思う。
ソフトバンク楽勝で４勝０敗、なんていう世間の声を裏切るような試合を見せて欲しいですね。
まあ、シーズンの成績だけみればそう言われても仕方ないですけれど。
意地を見せて覆して欲しい！
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