「2024年ドラフトが終了したわ!」
結乃が声を張り上げて言う。
「今年も楽しみな選手を指名できました!」
理衣が拍手する。
ベイスターズの指名は以下の通り。
1位 竹田 祐(タケダ・ユウ) 投手 三菱重工West
2位 篠木 健太郎(シノギ・ケンタロウ) 投手 法政大学
3位 加藤 響(カトウ・ヒビキ) 内野手 徳島インディゴソックス
4位 若松 尚輝(ワカマツ・ナオキ) 投手 高知ファイティングドッグス
5位 田内 真翔(タナイ・マナト) 内野手 おかやま山陽高等学校
6位 坂口 翔颯(サカグチ・カスガ) 投手 國學院大學
<育成>
育成1位 小針 大輝(コバリ・ダイキ) 外野手 日本大学鶴ヶ丘高等学校
育成2位 吉岡 暖(ヨシオカ・ハル) 投手 徳島県立阿南光高等学校
育成3位 金渕 光希(カナブチ・コウキ) 投手 八戸工業大学第一高等学校
「一位指名の金丸は外しちゃったけれど、最初に引いた中日に引かれていたなら仕方ないわ」
「いかにゴッドハンドでも、クジが残っていなかったら当たりようもないもんね」
「そんな中で一位指名したのが竹田!」
「社会人三年目ということで、梶原選手と同期になるわけだね」
「徳山と投げ合っていたみたいね」
「面白い縁があるもんだね」
縁はそれだけではない。
大学時代は、伊勢-入江-竹田と継投もしていたという。
「知っている先輩が同じチームにいるのは心強いだろうね」
「安心して入って欲しいわね」
そして2位では同じく即戦力右腕の篠木を指名。
想定通り、上位1、2位で即戦力の投手を指名することが出来た。
「3位以降はなんか独自路線って感じだったわね」
「何しろ3位、4位が独立リーグからの指名だからね」
「3位の加藤は右打ちの内野手がいないってことでの指名でしょうね」
「宮崎選手の後釜候補としての指名かな」
「同じ独立出身の井上と切磋琢磨して欲しいわね」
「4位の若松投手はリリーフでの指名かな? 投手転向してまだ間もないから、伸びしろも含めてかな」
5位には支配下では唯一の高校生、これまた内野手を獲得。
高卒野手の伸び悩みもあっての指名か。
育成ではいずれも高校生で、外野手と投手2人を指名。
比較的、戦力化できてきている外野手と、山本・松尾のいる捕手は優先度を低くしていて、狙いが分かりやすい使命だった。
「金丸を外したことで左腕が獲得できなかったのがちょっと残念ね」
「こればっかりは致し方ないよね」
ドラフトの成否は数年たたなければわからない。
それでも即戦力の先発右腕二人を獲得できたのだから、チームとしては狙い通り。
「どの選手も入団してくれることを祈って待ってるわ!」
「応援しています!」