「日本シリーズ第一戦は想定通り、ジャクソン－有原の先発ね！」
結乃が声をあげる。
「ドキドキしてきました！」
理衣が緊張した表情を見せる。
東が投げるのでは、なんて記事もあったけれど、やはりそんなことはなかった。
「しかし、誰が投げても東以外は成績でソフトバンク投手陣に劣っているからね」
「数字が全てではありません！」
「相手の有原、確かに今季の数字は良いんだけど、多くがペイペイドームと京セラドームなのよね」
「まあ、本拠地だしね」
ドーム球場で良い成績を残している。
一方で、マリン、楽天といった球場ではそれほどの数字は残していない。 もちろん、サンプル数が少ないのでこれだけでは何とも言えないが、多少の違いはあるのではないか。
「なので、付け入るスキはあると見た！」
「そう考えたいよね」
「この第一戦を取るわよ！」
「おお、勢いが強い」
２０１７年は初戦に大敗した。
敵地、初めての日本シリーズ、色々とあったろう。
相手は圧倒的強者のソフトバンクだけに、初戦に勝利して地に足を付けたいところ。
「そのためにはジャクソンが相手打線を抑えてくれること、そして打線が援護すること」
「ＣＳファイナルでは打線が湿っていたもんね」
「あれは巨人投手陣が良かったと言うべきよ！ その巨人投手陣を考えれば打てるって！」
「妙にポジティブだなぁ」
まあ、それくらい考えないとやってられませんからね。
「ソフトバンクは左腕に弱いイメージあるけれど、それは今もなのかしら？」
「それはちょっとわからないけれど」
「だとしたら、２戦目からケイ、東、濱口、とぶち込んでいきたいところよね」
「東投手が投げられるのならねぇ」
同じ左腕でも、パワーＰのケイ、制球力の東、荒れ球の濱口、とタイプも全然異なる。
うまいことハマれば相手打線を抑えられるかもしれない。
「とにかく、圧倒されて何もできずに終わりとか情けないことにならないように！」
「選手を信じましょう！」
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