「さて、日本シリーズも終了したので改めて2024年レギュラーシーズンを振り返ってみるわよ!」
結乃が宣言するように言う。
「日本一になったとはいえ、リーグでは3位だったしね」
理衣も頷く。
2024年シーズンは以下の成績である。
勝敗:71勝69敗3引分
勝率:.507
得点:522(1位)
失点:503(5位)
本塁打:101(2位)
盗塁:69(1位)
打率:.256(1位)
防御率:3.07(5位)
失策:96(6位)
「いやー、見事に打撃で勝っていったというのが分かる数字ね」
「両極端だねぇ」
「リーグで3、4番目って項目がないからね」
「分かり易いね」
2024年は投高打低といわれたシーズン。
そんな中で打撃成績はリーグ上位、かつ2023年度比でもほぼ同じが上回っているものもある。
一方で、そんな状況でありながら失点は増えている。
「まー、失策数が圧倒的で、前年比でも1.5倍くらいになっているからね」
「本当に今季は多かったね」
「そのせいで防御率はなぜか昨年より少しよくなっているというね」
「それは喜べないね」
明らかな反省点、課題点である。
逆に言えばエラー、さらに数字には表れないミスを減らせば失点も増え、勝ち星も増えたはず。
「同じように大きくかわったのが盗塁数で、昨シーズンの倍!」
「ビリだったのがリーグトップの盗塁数だもんね」
「まあ、リーグ全体で盗塁が少なかったのはあるけれど、それでも走塁改革が結果として出てきた感じね」
「梶原選手が定着すれば来シーズンはタイトルも期待できるかもね」
盗塁だけでなく、走塁という点でも梶原や森というところが出場することで上向いてもみえた。
「日本一になったとはいえチームの勝敗としては昨年より落ちているし、単純に喜んでいてはダメヨ」
「日本シリーズのような試合をシーズン中も出来れば良いんだけどね」
「長いシーズンだから短期決戦のような戦い方をずっと続けるのは難しいでしょうけれど、それでも少しでも近づけないとね」
「やれば勝てる、っていうのを身をもって理解しただろうしね」
もちろん日本シリーズは7試合、負けたら終わりでその先はないから全てを振り絞って出来たというのはある。
だけど、それだけの能力、力があることも選手たちは分かったはずなのである。
「今シーズンの課題、反省をこの後のキャンプに活かして欲しいわね」
「コーチの体制も変わるし、チームも更なる変化をしようとしています」
「2025年こそリーグ優勝からの日本一を!」
「達成しましょう!」
誰にも文句いわせない優勝を!