2024年振り返り #62 「チェンジ!」事件も頼りになる剛腕リリーバー ウィック
「三浦監督とのやりとりで注目をあびたウィックね」
結乃が口元を引き結んで言う。
「どうしてもそこが目立っちゃうよねぇ」
理衣が苦笑いする。
とはいえ、あの「チェンジ!」事件から投球内容が無双に近づいたのも確か。
中継ぎで剛腕リリーバーとして活躍してくれた。
#62 ウィック
出場試合 : 43
投球回数 : 45.0
防御率 : 2.60
勝利 : 5
敗戦 : 1
ホールド : 11
セーブ : 1
被打率 : .212
WHIP : 1.24
奪三振 : 50
失点 : 16
「やっぱ、投球回数を上回る奪三振数の多さよね」
「威力のあるストレートが武器で、調子のよい時はバットに当てられないよね」
「そこにパワーカーブがあって、短いイニングなら打ちづらいわよね」
「本当、シーズン後半は頼りになりました!」
残念ながら肉離れを発症してポストシーズンには出場できなかったが。
チームとしても活躍を評価して2025年の契約も継続となった。
「性格的には、気性も多少荒いようだけれど、まあ闘争心のある熱い男ということで」
「あの事件の後も監督とちゃんと話し合ってお互いに納得していたみたいだしね」
「そういうのは大事よね」
「メンタルも大事だから、やる気を失って力を出せなくなって、とかなったら大変だもんね」
そんなウィックもやはりシーズン序盤は苦戦した。
制球面の課題などもあったが、NPB向け調整もうまくいったのかシーズン後半ではかなり頼りになった。
特に剛腕タイプのリリーバーがチームにはあまりいないため、その点でもおおいに助かったと思える。
「タイプ的にはやっぱり回頭からいって1イニング、時にはイニング跨ぎで相手を抑えてくれところよね」
「回跨ぎできるのも大きいよね」
「力はあるけれど、制球面的に火消しタイプって感じじゃないわよね」
「そうだね、多分」
二年目となる2025シーズンは開幕から全力でチームに貢献できる存在を期待したい。