「宮崎が一軍合流し、バウアーが来日したわ!」
結乃が大きな声で言う。
「段々と役者がそろってきました」
理衣も嬉しそうに言う。
まあ、一軍、二軍は試合に出たりとか、首脳陣に状態を見せるとか、色々あるから。
二軍合流だから駄目とかこの時期にあるわけではない。
宮崎に関しても、一軍での実戦感覚を掴むというところだろう。
「宮崎には無理して欲しくないしね」
「寒い時期は特にね」
「血行障害とかだっけ? 春先はそれで調子の悪いこともあったしね」
「一年間のスパンで見ていきたいね」
長年の実績から信頼度は揺らぎない。
あとは怪我とスタミナ配分を考えて。
「そしていよいよバウアーが来日!」
「来てくれましたね!」
「日本での実戦登板のために、かしらね」
「オープン戦のどこで投げるのかな」
キャンプは合流しなかったとはいえ、アメリカの暖かな地でトレーニングをしていたという。
そして3月前に来日し、3月のオープン戦を経てシーズンに入れる。
2年前より当然ながら期待は大きくなる。
「頭の良い選手だし、相手球団に研究されても、更に研究しなおすでしょうしね」
「楽しみだね」
「不安はオースティンと仲良くできるかね」
「いやいやそれは・・・」
実際のところは分からないし、お互いにプロなのだから試合となればきっちりやってくれるだろう。
お互い、チームの勝利を求めていることに変わりはないのだから。
「早く実際の試合で見たいわね!」
「ワクワクします!」
そしてあとはうまくコントロールできるかですね。