「バウアーの入団会見が行われたわね!」
結乃が記事を見て言う。
「ますます楽しみになるね!」
理衣も表情に期待をにじませて言う。
既に来日していたが、改めて入団会見が行われた。
そこでは多数のオファーがある中で横浜を決めた理由。
そしてシーズンにかける意気込みが語られていた。
理由は二つ。
一つはやはり前回の在籍が大きく、知っている人たちがいることと、そしてバウアーにとっても居心地が良かったであろうこと。
二つ目は、2024年に日本シリーズで勝ったこと。
「前回の在籍時に好印象があるってのは当然、アドバンテージよね」
「データや最新の機材を取り入れた練習や、Youtubeでの活動とか、そういうの含めてだよね」
「良かったと思えたなら、あえて他の球団に行かなくてもとは思うわよね」
「新しい環境に馴染むってのも一つのストレスになるかもだしね」
前回、横浜という球団が、そしてファンがバウアーを心地よく迎えたから。
「そしてやっぱり優勝が狙えるってこと」
「ずっと言っていたもんね」
「これでもし2024年がBクラスだったら、選ばれていたか分からないわよね」
「勝負においても魅力があるかどうかというところだね」
もちろん、シーズンで貯金2というのはバウアーだって知っているかもしれない。
だけど米国ではポストシーズンが重要だし、そこに出場して勝ち切ったと言うのは価値あることと判断したのだろう。
少なくともそれなら、2025年に優勝が狙えるチームだと。
「あとは、本当にその力があるところをみせないとね」
「オープン戦ではまだまだだけど」
「相乗効果でよくなっていきたいわね!」
MLBへの復帰がほぼ断たれ、モチベーション的に心配があるのではないかと言われたりもしているが。
勝利を望む気持ちと姿勢に嘘はないと思える。
チームの勝利のために一年間、腕を振ってくれることでしょう!