「さ、年に一度の新潟での試合ね」
結乃が重々しく言う。
「勝利したいね!」
理衣も力をこめる。
ベイスターズ主催唯一の地方球場での試合。
もう少し地方球場での試合も開催したほうが良いのではとも思うが、それはそれとして。
「今年の相手は好調の阪神だからね」
「なんとかカード頭を取りたいよね」
「今、先発では最も安定しているケイだけど、地方球場のマウンドとかがどうなるかよね」
「守備の方も慣れない球場だしね」
今シーズンのケイは制球も安定しているし、だからこそ苛つくこともない。
球数も抑えられて安定して7イニング程度投げられている。
ただ、相手はセリーグで最も打線の状態が良い阪神。
果たしてどうなるか。
「相手先発は才木と、こちらも手強いしね」
「今シーズンは前のような圧倒的なところはないけれど、だからといってね」
「今の打線の状態だと、果たして打てるかどうか」
「それでも桑原選手、オースティン選手が戻ってきて、少しずつ打てる感じにはなって来たよね」
この試合もロースコアとなるか。
この後は一日空くだけに、伊勢、ウィック、入江と、信頼できる中継ぎを注ぎ込んで勝利にどん欲になって欲しい。
「カード初戦をとるのと、そして久しぶりの貯金目指して」
「これ以上離されたくないのもあるしね」
「打線がよくなるまでは投手で踏ん張っていくのよ」
「でも、たまには打線の援護が欲しいね」
何はともあれ、この一つをとりましょう。