「ペナントレース終了し、戦力外も出始めたわね」
結乃が重い口調で言う。
「仕方ないこととはいえ、毎年この時期は辛いね」
理衣の表情も暗めである。
支配下では三嶋、徳山、京山が。
育成では草野、今野、笠谷、蓮、粟飯原が。
それぞれ2026年シーズンの契約を結ばないことに。
更に、森下、浜地、松本、庄司に対しては支配下から育成契約への切り替えを打診しているとのこと。
「まあ、ある程度は予想できたメンバーではあるけれどね」
「三嶋投手は病気がね」
「頑張って復帰はしてきたんだけど、結果がね」
「本人はまだまだやるつもりだけどね」
球速は戻ってきた。
だけど、それだけで抑えられるほどプロ野球は甘くない。
これまで頑張ってきて、その姿も見てきて、横浜というチームで終わって欲しかったが仕方ない。
「病気さえなければ、ってのは言っても仕方ないけれどね」
「次にどこに行くか分からないけれど、燃え尽きるまで頑張って欲しいね」
これでDeNA初年度のドラフトで入団した選手の内、残ったのは宮崎一人となってしまった。
「徳山はイップスがなおって、一時期は一軍の中継ぎで光を見せたんだけど、そのあとにまた怪我しちゃってね」
「戻らなかったね」
「京山も、一軍で良い活躍をみせて将来を期待されたんだけど、そこがピークって感じになっちゃったわね」
「何が悪かったんだろうね」
二人ともまだ若く、どこかで活躍出来れば、とは思うが。
「育成の5人は、うーん、育成という立場的にかなりの結果を残すか、残したいと思わせるものがないとね」
「あまりまえだけどみんなまだ若いんだよね」
支配下から育成契約となる場合も、なかなか厳しい。
手術した者もいるけれど、ここから再び這い上がることが出来るか?
頑張って欲しいですね。