「オープン戦とはいえサヨナラ負けは悔しい!」
結乃が叫んで拳をテーブルに叩きつけた。
「一度は逆転してリードをしていたもんね」
理衣も残念そうに肩を落としている。
「まあ、公式戦ではない継投とはいえ、ね」
「笠井投手、残念!」
「負けるのは仕方ないし打たれるのも仕方ないかもだけど、四球でランナー貯めて自滅だからね!」
四球を3つで満塁にしてサヨナラを打たれたのでは、首脳陣の印象もよくないだろう。
「立場的には齋藤と争うところだろうけれど、これでちょっと後退したわね」
「この試合までは悪くなかったんだけどね」
「次の登板があれば、気合を入れ直しなさい!」
自滅は見ている方も辛いぞ。
「それから、櫻井はよくなっていないじゃない! そろそろ二軍で投げさせた方が良いんじゃない?」
この試合も四球連発で押し出し、暴投と、修正されている感じが無かった。
「期待が大きいんだろうけれどね」
「もっと他の投手をためしたら?」
もちろん、ファンと櫻井は楽しみにしているが、まだ焦らなくてもよいのではないだろうか。
「打線の方は活発に13安打! 特に4回は集中打で一挙に6点!」
「乙坂、オースティン、佐野、倉本がマルチね」
「ロペス選手も3ランホームラン!」
「楠本もタイムリー打ったし、これまで控えだった人たちが活躍を見せたわね」
特に倉本が2本打ち、そのうち一本は内野安打をもぎとってと、がむしゃらさを見せている。
「あとは9回に佐野が一本、打てていればねー」
「なかなか全部はうまくいかないね」
「話は変わって。3/14の炎の体育会系TVではベイスターズが登場!」
「神里選手、大和選手、宮崎選手の的抜きだね!」
「惜しかった! 大和があと1枚当てていれば!」
「それをいっちゃあ・・・・でも宮崎選手はさすがだったね!」
球界でも屈指のバットコントロールで見事に19枚抜きを達成させたのは見事だった。
「セリーグでは1位だったからね、これは西武との日本シリーズで雪辱を晴らすしかないわ!」
「そうそう、野球で勝とう!」
と、負け惜しみを言って去るのであった。