守備って大事。
当たり前だけれど、意外とおざなりになる部分である。
それもある意味当たり前の話で、野球は点取りゲームでもあるから打撃がよくなければレギュラーとなるのは難しい。そして、打撃の良い選手が守備も良いとは限らない。スタメンを選ぶ際、打撃の良い選手と守備の良い選手のどちらを選択するかと問われたら、打撃の良い方を選ぶ人の方が多いと思う。そしてリードをして終盤になったら守備固めを投入する、それが一般的だろう。
「そう考えると、やっぱり98年のベイスターズは凄かったよなぁ」
しみじみと思う順。
「何がどう凄かったの?」
妻の夕に問われ、順は自分のことのように得意げに口を開く。
「ファースト駒田、セカンドにローズ、サードに進藤、ショートに石井、キャッチャー谷繁、センター波留。これだけ守備がしっかりしていて打撃も良かったんだから、そりゃ強いわけだよ」
弱いところはレフトの鈴木尚くらいだっただろうが、打撃で十分にカバーしてくれていた。内野陣は鉄壁、全員がゴールデングラブ賞受賞者だ。
「なるほど、確かにそう聞かされると今の内野陣は穴が」
「いやいや、誰がとは言っていないぞ!」
「私も言ってないけど」
まあ、言わずとも分かるということだろう。
「大和、獲得したしな」
それが全てを物語っている。
しかし悩むのはやはり打撃との兼ね合い、大和と柴田では打線が弱くなりすぎる気がするのは自明。倉本も打撃が凄い選手ではないが、色々と考えて錯誤を繰り返し、なんだかんだと打点を伸ばしている。9番打者で50打点オーバーというのは確かにたいしたものといえる。
「でも、大和の守備なら失点が減るとか言われているしな、うーん」
「じゃあ、内野より先に外野は? 225さんとか」
「筒香は別に下手じゃないと思う。上手いってわけでもないと思うけど」
桑原は守備範囲が広くゴールデングラブもとったし、梶谷も同様に俊足を活かした守備なので外野守備はさほど問題はない。やはり内野であろう。昔と比べたら遥かによくなったが、人は現状に満足するということは少なく、更なる高みを目指していくものなのだ。
「なので、内野を強化したいわけだよ。まあ、かつてに比べれば遥かにマシな状況にはなっているけどね」
「そんなに前は酷かったの?」
「そりゃそうさ。目を閉じて想像してみなよ」
言われて目を閉じる夕。
「――1番、ショート、石川」
「ありえなーーーーーい!?」
2018年ベイスターズの戦力を考える 守備編
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