2018年4月7日(土) vs 広島カープ
結果:広島2-4De
敢闘選手賞:バリオス、嶺井
「でかした、砂田!」
「ああもう、心臓ドキドキして倒れそうだったよー」
拳を振り上げてガッツポーズをする結乃、胸を抑えて息も絶え絶えの状態でテーブルに額をつける理衣。
2点差に迫られてなおも1死満塁という大ピンチを無失点で切り抜けた後のことだった。
大きな難局を乗り切ったベイスターズは、9回裏は山崎が難なく抑えてゲームセット、ようやく2勝目をあげたのであった。
「それにしても、まさかバリオスvsジョンソンで勝てるなんて、5%くらいしか思っていなかったわ!」
「酷いなぁ、バリィさんも頑張っていたじゃない、今日は良いピッチングだったし」
「そうだけど、どう考えても不利だったじゃん。先週のヤクルト戦のピッチングを見たら」
制球が定まらず四死球を連発し、4回までしか投げられなかった。ヤクルト打線と比べてもしつこく、足のある広島打線に通用するとはよもや思っていなかった。おそらく多くのファンも不安を抱いていたことだろう。
「うまいことズラしていたのかしらね。この辺、球を動かすピッチャーが上手くはまったってところかしら。それに前回を反省してか四球がなかったのが良いわね」
安定した投球で6回を投げ切ってくれた。球数が80球前後て怪しくなったが、先発としての役割は十分に果たしてくれた。
「だけどパットン選手は大丈夫かな? 全然ストライクが入らず、4つの四球で押し出しとか」
「完全にカープアレルギーよね。まあ、他の投手の火消しをパットンがしてくれることもあるし、今日は砂田、そして井納が前の投手のフォローをきちっと出来たから良かったわよ」
バリオス、エスコバーの残したピンチを併殺で切り抜けた井納。そして砂田。
きちんと後ろが抑えてくれれば大きな傷とはならないし、ブルペン陣の信頼関係、絆も保たれるだろう。
「ジョンソン相手だったからまあ無理だと思っていたし、実際に5回1死までパーフェクトだったものね。それが、初ヒットが出たと思ったら」
「嶺井選手のホームラン! びっくりしたけど、凄いね!」
「やっぱ打撃は嶺井がいいわよね。強気のリードも今のところうまくいっているし、戸柱が結果を出せていない今、正捕手に近づいているわね」
「戸柱さんにも頑張ってほしいんだけどなぁ」
「何度も言っているけれど、プロなんだから結果を出せないとね」
「どうにか勝てたし、初めて4点を取れたけれど、結局のところ神里、嶺井、倉本の3人でしか点が取れていない状況には変わりないのよね。無死1,2塁でバント失敗、1死満塁で点が取れないとか、打線はまだまだ」
「それにしても神里選手は凄いねぇ。あれだけ警戒されていて、左腕のジョンソン投手から盗塁決めちゃうなんて」
「内野安打、盗塁、内野ゴロで三進、犠牲フライ・・・もうこれ、神里一人で点を取っているじゃない。これは本当に本物かもね。あとは長いシーズン、どこまでいけるかね」
「継投も、勝てたから良かったけれど7回表から井納さんでいけなかったのかな?」
「その辺はベンチがどう考えたかだけど、ラミちゃんは球数で考えるところあるし、今日は出来れば井納を投げさせたくなかったのかもね」
一歩間違えれば強力な広島打線に飲み込まれていたかもしれないと思うと、試合が終わったとはいえ胆が冷える。
しかし何はともあれ1勝したことで気分は楽になった。京山も思い切って投げて欲しい。
相手は大瀬良、良い投手だが付け入る隙がない投手ではない。
「キラー、ウィーランドがいないのが痛いわね」
「今シーズン初の連勝を目指そう!」
久しぶりに明るく締める二人であった。