2018年4月10日(火) vs 読売ジャイアンツ
結果:巨人3-4De
敢闘選手賞:嶺井
「山崎投手、100セーブおめでとう!」
「ホームではないけれど、早いところ決めるにこしたことはないもんね!」
理衣と結乃はハイタッチをかわして山崎康晃の100セーブを祝う。
「・・・・ちなみに、189試合目での達成となりこれは日本人選手では史上2番目の速さですね」
「うわっ、友梨子ちゃん、いつのまに!?」
どこから現れたのか、友梨子がパソコンの画面を確認しながら教えてくれたが、結乃と理衣にしてみたらその神出鬼没ぶりに驚く方が先にきてしまう。
「まあ試合は勝てたけれど苦しい試合だったわよね。どすこいにはやっぱり苦戦させられたし」
「ブーイング凄かったね・・・・って、やっぱりってことは予想していたの? 確か去年の対戦ではKOしたんでしょう」
「そうだけど、横浜ファンは山口を過小評価しすぎじゃない? 能力的なものをいったら、リーグの先発投手でも屈指のものを持っているわよ。おまけにあのスタミナ。メンタルの弱点がなかったら恐ろしいわよ」
リップサービスでもなんでもなく、結乃はそう思っている。実際、この試合でも山口は120球を越えても勢いのある球をビシバシ決めていた。
「井納は連投の影響なのかどうなのか、この辺が分からないわね。でも亀井、二塁アウトで助かったわー」
「3連打でなおノーアウト2,3塁じゃあ全然違うもんね」
「ただ打たれても仕方ないと思うのは、中継ぎ陣を使いすぎだからね。先発に完投能力のある投手がいないどころか、5回、6回を投げるのがようやくっていう投手ばかりだもの」
もちろん、飯塚や京山、バリオスに求めているのは5,6回を投げて欲しいというところなので仕方ないが、しわ寄せは中継ぎ陣に確実にいっている。特に砂田、エスコバーは現時点でも投げ過ぎではないだろうか。本来なら石田に7回は投げてもらいたいのだが、あの調子である。点差を付けられればよいのだが、今の打撃陣では4,5点がようやくというところなのでそれも難しい。
「明日の平田も長いイニングは難しいでしょうから、東に頑張ってもらわないと、ってルーキーにそこまで頼らないといけないとは」
今永、ウィーランドが戻ってくるまでは辛抱である。中継ぎ陣も、思い切って投げない日を決めないとこの先潰れてしまう。
「打線の方はよくなってきたかな?」
「宮崎にタイムリーも出たし、スタメンの多くが打率1割台とかなくなって、見える数字にはなってきたわね」
「嶺井選手が頼もしいね」
「これだけ打ってくれると、打線を考えても今は外しづらいわね。まあ、休養を兼ねて戸柱スタメンもあるでしょうけど」
先発投手も好リードして打撃でも結果を残しているとなると、嶺井を外す理由はなくなる。キャッチングやブロッキングに多少の不安があるとはいえ、その辺の守備力も昔に比べれば上昇している。
「今日は広島、ヤクルトも負けたから、6球団が1.5ゲーム差の中です。まだシーズン序盤とはいえ、昨年のようにカープがぶっちぎり、ということはないかもしれませんね」
他球場の結果を見て友梨子が呟く。
「そらそうよ! だとしたら主力先発ローテ投手3枚を欠いている横浜が、全員揃ったときに有利ね!」
「まあ、どのチームも同じようなことは思っているでしょうけれど・・・・」
「さーあ、明日は平田よ。カードの頭を取ったから気楽にいって、できれば8回から9回くらい投げてくれると嬉しいわね!」
「結乃、今まで中継ぎ専門のプロ初先発の平田さんにどこまで高い理想を」
「アマ時代には延長戦まで一人で投げ切ったことあるんだからだいじょーぶだって。プロ初勝利、初完投でもやっちゃえ!」
「・・・・ちなみに石田投手以外のDeNAの先発ローテ、2017年までの合計勝利は3勝です。バリオス投手2勝、飯塚投手1勝。よくもまあ、こんなローテでやってますよね・・・・」
「過去だけ見ても意味がないわ。私達が見ているのは未来なのよ!」