2018年4月14日(土) vs 中日ドラゴンズ
結果:横浜2-0中日
敢闘選手賞:バリオス
ビジターでの連戦を連勝し、横浜に戻ってきての週末ということで開幕戦以来のスタジアム観戦となった結乃と理衣。当然、スタンドで盛り上がる気満々でやってきたわけだが。
「え、あれ、勝ったの? 全然盛り上がってないし、打ってないんだけど」
「いやいや、結乃ってば」
「だって8回終わってみんな3打席しか回ってないんだよ。これだけ打ってないのに勝つなんてありえないでしょ」
「だから結乃」
「チャンステーマも一回も流れなかったし、チャンスもなかったし」
「筒香選手とロペス選手がホームランを打ったじゃない」
「・・・・・・ああ!」
「いや、ああ! じゃないでしょ」
苦笑する理衣だったが、結乃がそのように首を傾げるのも無理はないというもの。
「嘘よ・・・横浜がこんな効率よく勝つなんてありえないわ!」
「一年間試合をやっていれば、それくらいあるんじゃないの?」
「まあ、前にバルディリスの2ランホームランの1安打で勝った試合もあったくらいだし、なくはないか」
「よくわからないけれど、そうそう、そういうことだって」
ソロホームラン2本で2点、投手リレーで完封、横浜の残塁は1、試合時間は2時間13分とやたら速く終わった試合である。13時試合開始だったのかと思うほどであった。
「まあ、思い返してみれば盗塁しあり、牽制死あり、ライトフライで1塁に帰塁できずダブルプレーと、盗塁を除いて凡ミスもあったし、その辺は横浜らしかったかもね」
「いや、なんで勝ったのにそんなネガティブなことばかり」
「仕方ないわ、勝った時こそネガティブ思考に陥るのも昔からのファン心理ってものね!」
胸の前で腕を組み、仁王立ちして宣言する結乃。
態度だけ見れば全くネガティブではない。
「楠本選手、二軍に落とされちゃうみたいだね」
「まあ、あの凡ミスはちょっとねえ。でも、ここから這い上がって来て欲しいわ。で、代わりに上がってくる選手が誰なのか楽し身にしたいわ」
「しかしまあ、バリオスがここまで好投するとは思わなかったわね。これじゃあ再来週、ウィーランドをあげようか迷う所ね。ただまあ、先発投手で80球しか投げられないんじゃ、いいところ6回までだもんね。100球いけるウィーランド優先したいけれど、結果を出しているバリオスを落とすのはねぇ。迷いどころだわ」
「嬉しい悩みだけどね」
昔ならば、「誰を先発で投げさせようか?」と、そもそも人材がいないので苦し紛れに投げさせる方が多かったというのに。
「明日の天気は微妙ね。中止でも良いと思ったけれど・・・・試合するにしても、康晃を投げさせない展開にしたいわね。さすがに週5回投げさせたくないわ」
「短期間に沢山投げさせるのはよくないんだよね」
「この後、いくら休ませようとね」
果たして明日の天気はどうなるか。そして試合をする場合、どのような展開となるか。京山が先発するだけに長いイニングは期待できないので、やはり中継ぎをどう使うか、だろう。
「ああ、それにしてもチャンステーマを歌えなかったのは悔いが残る!」
「勝ったから、まあいいじゃない」
「そうじゃない、ドラゴンズのチャンテよ! チャンテ3かチャンテ2をやりたかったのに!」
地団太を踏む結乃。
「Dragons Soulを!」
「確かに、ドラゴンズのチャンテは私も良いと思うけれど、それ、横浜のピンチってことなんだけど・・・・」