横浜の打線を考える
「巨人3連戦の最後は打線爆発で締めたけれど、これから先の打線を考えてみるわ!」
「え、好調な打線だからいじらなくて良いんじゃないの?」
試合のない月曜日、いつものごとく思い付きを口にする結乃に対し、素朴な疑問を提示する理衣。
「今はね。でも、ずっとこのままで良いとは思えないわ。特に問題は、6番以下の打線の弱さよね」
結乃の言う通り、1~5番までは今の形でしばらくは問題ないかもしれない。
しかし、6番以降は相手投手のオアシスである。
「捕手と投手はこの際諦めてディフェンスに専念してもらうとして、問題は二遊間の選手よね」
「今は、9番にショート大和さんでハマっているのではないの?」
「微妙なところよね。悪くはないとは思うけれど」
昨年の倉本のような役割を期待しているのだろうが、打撃がそこまで良いわけではないのだ。まあ、打撃の負担という意味では小さくなるだろうが。
ランナーなしよりも、ランナーがいた方が打撃が活きるタイプ、だとは思われる。
状況に応じた打撃は、少なくともベイスターズの他の野手よりは出来るだろう。
「二塁は、倉本選手、田中選手が最近では相手投手によって出る感じだね」
「そうね、でもいずれにしても6番では弱いわよね。クリーンナップが鈍足で、後ろの打者が弱いからある程度長打が求められるんだけど、二人とも長打は少ないしねぇ」
昨年は下位打線に梶谷がいたこと、また戸柱も一時期は効率よく打点を稼げていた。今は7,8番が安パイだけに、6番に打撃が求められるのだが。
「でもラミレス監督理論だと、大和選手を1番にみせて、そこから打順が始まると考えられるのでは?」
「だったら素直に大和を上位に持ってきた方が、初回から打順が回るから効率的じゃない」
1~6番に打てる可能性のある選手を並べた方が、初回にまとめて点を取る可能性は増えるはず。
大和を2番に据えれば、スモールベースボールにも対応できる。
「まあ、そのうちその辺も見直すかもしれないけどね」
ラミレス監督はデータをもとに作戦を考える。
この先、どうするかも考えていることだろう。
「宮本選手が登録抹消になったね」
「まあ、守備でもちょっとやらかしたし、打撃もイマイチだったからね。ただこれで宮本、楠本と、足を使える選手が減って、走れるのは梶谷、神里くらいになっちゃったわね」
現状、1~5番まで長打力のある打者で組んでおり、攻撃力重視の打線を組んでいる。巨人戦ではそれが顕著に出た試合であり、打線の調子が落ちるまでは、その方向性で行くのだろう。
梶谷が出塁できれば足でのプレッシャーをかけられるが、それ以外の選手では皆無になる。
とにかく打って、それも長打で破壊するのが今の打線だろう。もちろん、個々の選手で先の塁を目指す走塁意識は必要だが。
「まあ、宮本も楠本も二軍で打席を稼いで経験した方が良いのも確かだしね。この先、足が必要になる時も必ずあるから、それまでに成長しておいてほしいわね!」
「代わりに上がるのは誰かな?」
「当然、内野手でしょうけど、最近の成績だと山下かしら?」
「あるいはキャッチャーっていう選択肢もあるよね」
「交流戦前の6連戦、ここも4勝2敗の勝ち越しを狙いたいわ。そのためにはやはり、打線の奮起が不可欠だからね!」
「なんとか、ヤクルトさんに勝ち越したいね」
「あと、ソトは交流戦まで調子を落とさないで欲しいわね。当然、DHでしょうし。疲れも出てくるかもしれないけれど、交流戦までは乗り切ってほしいわ。もちろん、シーズン通して活躍してくれたらいうこと無しだけど」
「問題は外野守備。梶谷もセンターだと負担が大きいし打撃にも影響する可能性あるけれど、今はそんなこと言っていられる立場じゃないし。直近の日程も後押ししているわよね」
「と、いうと?」
「巨人戦は東京ドーム、次が横浜、そして神宮。狭い球場が続くから、広い球場に比べれば外野手のプレッシャーも少し軽減されるはず」
「なるほど、広い球場だと長打のリスクが高くなるもんね」
「そしてその後は交流戦、パリーグ本拠地ではDHだから、センターには桑原が神里が使える。交流戦が終わるまでは、そこまで負担が大きくならないはずよ!」
ようやく上昇に向けて色々と良い材料が出てきたベイスターズ。
広島追撃に向けて、一丸となって戦っていきたい。
「次の中日戦はブルーライトシリーズ! 観戦に行けないのが残念だわ!」
「綺麗なんだよね」
イベントは勝たないと盛り上がりにも欠ける。
イベント試合に弱いベイスターズ、頑張れ!