2018年6月17日(日) vs オリックスバファローズ
結果:オリックス7-1横浜
敢闘選手賞:なし
「二戦目に勝利しておいて本当に良かったと、心の底から思ったわ」
オリックスとの三戦目、試合途中であるにもかかわらず、結乃はそんなことを言った。
そう言いたくなるのもわかるくらい、試合内容は酷かったというか、貧打というか。
「序盤、ボール球ばかり振って三振の山とか、もうちょっと見ていけば少しは変わったかもしれないのに」
オリックスの先発、田嶋のストレートに勢いがあったとはいえ、
『なぜそれを振る?』
と言いたくなる打席ばかりであった。
「これはもう命名、『絶対零度打線』ね!」
「いや、偉そうに名付ける内容じゃないと思うけど・・・」
「まあ、スタメンをみたところでまた笑いそうになっちゃったけどね」
「若手のメンバーには、チャンスなんだけど・・・・」
「そのチャンスを活かそうと本気で思っているのかしら?」
打てる気配のない打線、見ている方が辛くなってくる有様である。
これが、もう少し良い打席内容を見せてくれればまた違うのだろうが。
「今永は6回3失点まではまずまず、悪くなかったんだけどね」
「7回は残念だったね」
「それでも序盤KOされ続けていた頃に比べれば遥かにマシだとは思うけれど。本当なら打線が援護して楽に投げさせられる展開になって、自信を付けさせられれば良いのだけど」
今の打線ではそれも望めない。この試合も、宮崎の一発だけであった。
「こういう試合でも何か収穫があったはず・・・・なかったわ!」
「早いね!?」
「いやー、だってねぇ? 厳しいわー」
天を仰ぐ結乃。
4安打のみ、しかも併殺1つに盗塁死2つと、非情に効率の良いアウトの献上だったのだから。
「正直、この試合のことをどうこう考えても、あまり次の試合につながらない気がするのよ」
「えええ、それは・・・・」
「そして次の試合以降のことを考えると、また気落ちするわー。ウィーランドが腰痛で抹消って、ホント酷いわね!」
またしても主力が抜ける。
投手陣はどうにか戻ってきたと思った矢先のことである。
「西武戦の先発は飯塚ね。西武打線に、飯塚の球威で通用するかしら?」
「コントロールと、芯をずらすような配球ができるか、なのかな?」
「まー、雨が怪しいけどね」
この週はずっと天気があやしい。
「でも、天気が悪い時こそ、横浜は得意! といっても、圧倒的な戦力不足はどうにもならないけど」
「それでも、諦めないんでしょう?」
「諦める? はぁ? 何を言っているの。若手よ、何度も言っているけれどチャンスなのよ!? スタメンで4打席もらえるのよ!? 齧りついて結果を出してみなさい! 残り2試合勝って、5割で交流戦を終えるんだから!」
気持ちは沈むし、悔しいし、情けなくもあるけれど。
結乃は決してあきらめない。
「駄目だと思っている連中を、見返してやりましょう!!」