2018年7月21日(土) vs 阪神タイガース
結果:横浜5-7阪神
敢闘選手賞:なし
「いーしーだーーーっ!!」
結乃の怒声がこだまする。
それもそうだろう、3回6失点の炎上だったのだから。
「先発6番手としてなら期待できると思ったのに、今シーズンはもう先発しなくていいわ!」
「それは言い過ぎじゃ、結乃」
困ったような表情を浮かべて宥める理衣。
しかし事実は変えようがない。
「石田以降の中継ぎ陣は1失点ですませたのよ。どうしたって石田が駄目だったという結論しかないじゃない」
「う、うーん、まあ、そうだね」
「打線が5点取ったからこそ、先発が抑えていればだったのに」
「そうそう、打線は頑張ったでしょ。復帰したロペス選手が復活のホームラン打ったし!」
「そうねえ。ただ、やっぱりチャンスで打てないのがね。8回の能見は打てたでしょ」
梶谷、桑原とも、甘い球をミスショットしてしまったように見えた。
1死満塁、1死2,3塁で両方とも無得点では厳しい。
9回にドリスが出てくることは分かっていたわけで、あそこでどうにかしたかった。
「今日も宮崎はノーヒットでちょっと不安ね」
「伊藤選手は2安打で好調をキープ!」
「そこはプラス材料ね。打線が上向いてきているのは確かだとは思うけれど・・・」
それ以上に失点しては意味がない。
もちろん、全ての試合で相手打線を抑えられるわけでないのは分かっているが。
「これで1勝1敗、なんとか勝ち越したいけれど」
「3戦目の相手は予想通りメッセンジャー投手だもんね」
「今シーズン、何敗していると思ってんの、一つくらい勝ちなさいよ!」
激昂する結乃。
そこに。
「・・・・ちなみに」
「うわっ、百合子ちゃん!?」
姿を見せたのは前日に続いて百合子であった。今日も愛用のノーパソをリズミカルに指で弾く。
「今シーズン、メッセンジャー投手は横浜相手に4戦4勝、防御率は0.58です」
「何よそれ、全く打てていないじゃない」
「他のチームはそこそこ打つ時もあるのにねえ。なんで横浜だけ打てない投手が多いのかな」
「それだけ、打撃技術が拙いってことでしょ。でも、過去は過去、今度こそ打ち崩すわよ!」
「こちらは今永投手! 大分、調子もあがってきているしね」
「とはいえ相手はメッセンジャー、完封する気概でいってほしいわね」
「・・・・なお、今永投手の阪神戦防御率は6点台です」
「だから、過去ではなく、次の1試合よ! 勝つわよ!」
「そうだね、どんどん上位から離されちゃうからね・・・」
「だーかーらー、ジャイアンツーーーーー!?」
他球団を気にしている場合でない。まずは目の前の試合を取ろう。
そして気持ち良く週明けを迎えよう。