2018年8月9日(木) vs ヤクルトスワローズ
結果:横浜3-11ヤクルト
敢闘選手賞:なし
「ホント、続かないチームね!」
手にしていた扇子を投げ捨てるようにして嘆く結乃。
せっかく初戦を良い形で勝利したというのに、雨を挟んで三戦目はまた酷い試合になってしまった。
「2戦連続、幸先良く先制! と思ったら、直後の回に失点、それも倍以上取られるという悪いサイクル」
「今日のウィーランド投手は良くなかったね」
理衣の言う通り、ランナーをためて被弾。そして奪三振も少なく、四球は多く、ウィーランドらしくない投球だった。
「後を継いだ健二朗もピリッとしなかったしね」
「藤岡投手も失点しちゃったし」
「ビハインド要員とはいえ、次につなげるためにも0に抑えて欲しいんだけどね」
登板した三人が三人とも失点を重ね、またしても二桁失点を喫してしまった。
「打線も3回以降は連打もなく、寂しいもんよね」
「8安打はしているんだけどね」
「5回、先頭の雄洋が2ベースで出た時に点が取れていれば、多少なりとも流れが変わったかもしれないけどね」
あの時点で1点でも入れば2点差となり、勢いも出てきたかもしれない。
しかし1番から3番までが凡打で結局は無得点。
逆にその裏、エラーを契機に致命的な失点をしてしまった。
「なんてゆうか、この試合、語ることがないんだけど・・・・」
序盤に大量失点、打線は散発、中継ぎも打ち込まれてと、良いところが見つけられない。
「荒波もいまだにノーヒットだし、ヤバいわよ」
「ま、また、そういうことを。まだシーズン途中だよっ」
「そうは言ってもねぇ」
チーム状況もよくないとくれば、話題もなかなか明るいものが出てこない。
「じゃあ、次の試合! 東投手が先発だよ!」
今、もっとも期待できる先発投手である。
が。
「なんで相手がメッセンジャーなのよ!」
拳で大地を打ち付ける結乃。
何せメッセンジャーには5戦5敗、防御率0点台と全く手も足も出ないのだ。
「一番、勝ちが期待できる投手のときに、最も勝てない投手と対戦なんて、くうっ!!」
唇を噛みしめる結乃。
「せっかく、久しぶりの平日ナイター観戦に行くのにね」
「東を見られるのは良いけれど、メッセンジャーにいいようにやられるチームを見るのが哀しい・・・」
「まだ、そうと決まったわけじゃないし! プロならそろそろやり返さないと!」
理衣のその言葉に、立ち上がる結乃。
瞳には力強い光が灯されている。
「・・・・そうよ、いつまでも舐められっぱなしでいられないわ! ええ、そうでしょうよ、ベイスターズ攻撃陣!?」
幾らなんでも恥ずかし過ぎるだろう。ここまで同じ相手にやられ続けるのは。
「今までの借りをのしつけて返してやるのよ。もう3タテしかないわ!」
「その気合で! このところ現地観戦、酷い試合ばかりだから、良い試合を観させてください!」
さてさて、本当に意地を見せてほしいものである。