2018年8月15日(水) vs 中日ドラゴンズ
結果:横浜1-5中日
敢闘選手賞:なし
「いーしーだー!!」
結乃の怒りの声が室内に響き渡る。
それもそうだろう。
汚名返上、信頼回復を図るべく、得意とするナゴヤドームに登板したにもかかわらずの体たらくである。
5回で被安打9の失点5では言い訳も出来ない。
「残念だったね」
理衣もまたがっくりと肩を落としている。
「残念とかもうそういうレベルじゃないわ。本当に失望よね。さすがにもうラミレスも擁護できないのでは?」
仮に敗戦投手になっても、QSくらい達成していたらまだ擁護できたかもしれないが、5失点では無理だろう。
「初回は3凡で期待が出来るかと思ったけれど、儚いものだったわね」
息を吐き出し、肩をすくめる結乃。
その瞳の先に石田はいない。
彼女にとって石田はもう存在しないも同義だった。
「ええと、ほら、藤岡投手がナイスリリーフ!」
取り繕うように理衣が言う。
「まあ、石田の残したピンチを併殺で切り抜けてくれたのは確かに良かったけれど」
試合を壊さずにすんだのはありがたいが。
「打線がどうしようもなかったわね」
「4安打じゃね・・・・」
宮崎の二塁打で完封を逃れるのがやっとという有様であった。
打線に関しては言うべきことはない。ヒットを打ったのがロペスと宮崎だけなのだから。
強いて言うならコロコロ打線、打順が変わることだが、これも今さらである。
「てか、いくら8月が不調で打てていないからって、1番荒波か・・・・いまだ0割なんだけどね」
「荒波さん、大丈夫かなぁ?」
正直、オフシーズンが怖いであろう荒波である。これは最後のチャンスを与えたということなのか。
「まあ、荒波どうこうというより、打線全体が小熊に10三振だからね!」
「初戦の逆転勝ちで勢いが付くかと思ったんだけど・・・・」
「それで勢いが付くようなチームだったら苦労しないわ」
今シーズンだけでも何度も観てきたことである。全くチームが波にのっていけない。
昔からそのようなチームであったが、今シーズンはさらに顕著になっている気がする。
「こうなったら勝ち越しを狙うわよ! 3戦目は京山、頼むわよ!」
「相手は、松坂投手だね!」
「前は勝たせてあげたからね、今回は遠慮せず、容赦せず、叩くわよ!」
「威勢のいいこと言って、松坂投手、なんだかんだで他のチームにも好投しているじゃない」
「崩れそうで崩れないのよね。その辺はさすがというと心よね。でも、そうも言っていられないし、長いイニングは投げられないだろうから好機はあるはず!」
球数を要する投手であり、中継ぎ陣を引きずり出せば十分に勝機はある。
そのためにも京山に踏ん張ってもらう必要がある。
「投げる試合は援護率の高い京山だからね、打線に期待したいところ」
「気持ち良く勝ちたいね」
「次がカープ戦だしね。そして石田の代わりに上がるのは誰かしらね・・・・」
さすがに石田は今シーズンはもうよいのではないでしょうか。