2018年8月21日(火) vs 読売ジャイアンツ
結果:横浜1-4巨人
敢闘選手賞:大和
「最下位よ!」
開口一番、それである。
「もう、上がっていくしかないわね!」
もはやヤケクソのような結乃。
隣で見ている理衣の表情もやるせない感じだ。
「事実は変えられないのよ! この敗戦でまたしても最下位転落! 歯止めが利かないわね!」
「本当に、上昇の気流が見えないね」
「またしても内海にひねられ、唯一の得点がなんと、あの大和のホームランよ! 笑うしかないわ」
「大和選手は一人、4安打と気を吐いたんだけどね」
「計8安打で大和が4安打じゃあ、他の野手はヒットを打ててないんだから、点も入らないでしょ」
その点、巨人はクリーンナップがマルチを放ち、そこで集中して得点できているのだ。
「対して横浜は頼りの2-5番で2安打。筒香はチャンスで凡打。ため息も止められないわよ」
「がっかり感を球場に出したくはないんだけどね」
人間だもの。
そりゃあ、毎度のように情けなく打てない試合を観させられればため息だって出てしまう。
「何も考えずに打っているだけじゃないの? 打線にしなさいよ!」
憤懣やるかたない結乃である。
「平良投手は6回4失点」
「まあ、想定の範囲内ではあるわよね。良くはないけれど、悪すぎはしない。石田や今永より良いじゃない」
とはいえ、今のチーム状態で序盤に3失点はなかなかに重い。
「二戦目は井納投手だね」
「前回のスターナイトでの背信投球を補って余りある投球を期待するわ」
「何そのコメント・・・・」
井納も背水の登板。どうにかしてくれ。
「ベイスターズファンの界隈では悲観的な言葉や、監督更迭みたいな話が色々出ているみたいだけど、チームに喝をいれるのが先よ!」
「まだ30試合以上あるしね」
「このままズルズルと落ちていって負け犬の姿を晒すのか、意地を見せて戦っていくのか、選手達はどうなのよ!?」
「ズルズルいってほしくないなぁ」
「今こそ、泥臭く戦う時じゃないの、格好つけた言葉ばかり言ってないで」
ここ2年、うまくいっていた。
だからこそ失われてしまったものもあるのではないか。
「いや、だからといって、かつての野球を見せられたいわけじゃないけどね」
馬鹿にされた日々。
相手チームから見下されていた日々。
それすら、さもありなんと思えていたチームに戻りたいわけじゃない。
「でも、むしろ馬鹿にされた方がなにくそと思わないかしらね? 下手に持ちあげられるからいけないんじゃない? そんなチームじゃないのよ、まだまだ!」
さてベイスターズよ。
いつまでだらしない姿を見せるのだ。シーズンもあと少し、がむしゃらな姿を見せてくれ。