2018シーズンはもう駄目なのか? を考える
阪神戦でどうしようもないような試合をして連敗し、ファンを更に失望させてしまったベイスターズ。
多くのファンが、
「こりゃもうアカン」
と、諦め、悟ったという話も聞く。
果たしてそれは、本当なのか?
「まー、そう思うわよね」
「ゆ、結乃!?」
結乃の言葉に目を丸くする理衣。
「8月、9月の試合を観ていたら、そう思っても自然なことだということよ。だって、ねえ?」
結乃の言いたいこともわかる。
何せ特定の先発投手以外は大抵が序盤で失点、炎上。そしてそうなると打線も何もできずそのまま敗戦。
それがデフォルトになっている。
なんとか食らいついて追いついて逆転勝利、なんてものは殆どない。
だから、序盤に失点してある程度の点を先行されると「今日も駄目か」と思ってしまうのである。
「でも、それで良いの?」
「・・・・良いわけないでしょ!」
CSという制度があり、1位以外は同じような状況、下位に沈んでいるとはいえ、数字的にはまだ可能性は残されている。
諦めるのはいつでもできる。
諦めるのは最後で良い。
「でも、それで選手に無理させるのもねぇ、って気がしないでもないのも事実だし」
特に中継ぎ投手は、何年も続けて活躍できるのが難しいくらいだ。
三上や砂田、それに今年頑張っている三嶋など、無理させて翌年度にダメージを引きずりたくはない。
「だからといって、可能性があるうちに『諦める』なんて」
「プロなら口にしないでしょう」
完全に可能性がないなら、0でないにしても0に近いなら切り替えることも出来るのだが。
低レベルなAクラス争いが故に、可能性がある皮肉。
「現実的なことを考えたら、可能性は低い。でも、あたしはゼロになるまで応援し続ける、いえ、ゼロになったって応援をやめることはないわ! 屈辱にまみれても、いえだからこそ、応援を続けるのよ!」
悔しさを忘れない。
開幕前は広島の対抗一番手、なんてあげてくれる解説者もそれなりにいた。
期待されていた。
だからこそ、余計に屈辱的だ。
「だからって諦めたら、本当におしまいよ! 駄目とか駄目じゃないとかじゃなくて、前に進むしかないのよ!」
「結乃・・・・」
血を吐き出すような思いで言う結乃。
諦めたい人は諦めれば良い。人によってスタンスは異なるだろうから文句は言わない。
ただ、結乃は苦しくても諦めずに叫び続けることを選んだ、それだけのことだ。
「大体、落ちたらそう簡単に這い上がれないのは、知っているでしょう!? 落ちるのは簡単、上がるのは何年かかると思ってるの」
「う、それは、確かに」
「しがみついてでも、何してでも、食らいつくのよ。分かってんの、4番!」
暗黒時代に戻るのだって、きっと簡単だ。
でも、戻りたくない。ならば、やることは一つ。最後まで足掻き続けるのだ。
「だから、さあ、いくわよ! とりあえず巨人との2連戦、連勝よ! 頼むわよ、井納、東!」
「・・・・ただ、台風が来ているけれどね」
「吹き飛ばしなさい!」
それくらいの気合と勢いを持って臨んでくれ。
まだまだ、本気で応援しているファンはいるのだから。