2018年シーズン振り返り 攻撃編
「2018年のベイスターズのシーズンは終了したわ! CSも日シリもあるけれど、それはそれ! ここからは2018年のセリーグペナントレースにおけるベイスターズの戦いを振り返るわよ!」
勢いよく拳を突き上げて宣言する結乃。
「元気だね、結乃」
相方を見つめながら言う理衣。
「まあね。何せいつもこの時期といえば、オフの話題で盛り上がっていたからね!」
「自慢にもならない気がするけれど・・・・」
要はそれまで、CS進出も出来ず常にオフのことしか話題にできなかったということである。
「ちなみに、深い振り返りは『所持雑感』さんとかには到底かなわないしやらないわよ! あたしがやるのは、数字で分かるものと印象からの振り返りだからね!」
威勢よく宣言する結乃。
「潔いというかなんというか・・・・」
「できないことをやっても仕方ないでしょ?」
苦笑する理衣に、胸を張っていいのける結乃。
「さあ、今回はまず『攻撃編』よ! とかく野球下手なベイスターズの実情が分かるわ!」
「だから、なんでそれを嬉しそうに・・・・」
「データといえばわたしですね」
にょろりと現れたのは百合子だった。
「うわ、久しぶり百合子ちゃん!?」
「2018年のベイスターズの攻撃データは、以下の通りですね・・・・」
■打率 : .253(リーグ6位)
■出塁率 : .307(リーグ6位)
■得点圏打率 : .247(リーグ6位)
■代打率 : .221(リーグ3位)
■得点 : 572(リーグ6位)
■安打 :1209(リーグ6位)
■本塁打 : 181(リーグ1位)
■四死球 : 443(リーグ6位)
■盗塁 : 71(リーグ3位)
■犠打 : 71(リーグ6位)
「………………」
「………………」
「……これはヒドイですね」
無言になった結乃と理衣にかわり、百合子がぼそりと呟いた。
「うわぁ、何コレ!? なんとなく分かっていたけれど、想像以上に酷い惨状ね!」
「殆どビリだね・・・・」
「違います」
「いや、確かにビリじゃないのもあるけれど」
「ただのビリじゃありません、圧倒的なビリです」
「Oh! No!」
容赦ない百合子の一言に、がっくりと膝を突く結乃。
「本塁打数で阪神より倍以上多いのに、得点では阪神を下回っています」
「貧打といわれた阪神よりも下なのね」
「得点圏打率は5位チームより1分くらい低いですね」
「ぐぅ……」
「出塁率に至っては2分ほど低いです」
「あぅぅ」
「四死球は40程少ないです。1位のチームと比べると250くらい少ないです」
「マイガッ!!」
どれを見ても惨憺たる結果であった。
「ホームランはソト、筒香、宮崎、ロペスと20発カルテットで1位になったけれど、まあ、ホームランでしか点が取れていないとは感じていたものね」
シーズン序盤こそ、神里などの足を活かした特典もあったが、神里、梶谷が怪我で抹消になって以降は打つだけの攻撃になってしまっていた。
「ただ、逆にいえば、それだけ酷い攻撃でもCS争いをしての4位になっているという点ですね」
「た、確かに。この惨状でよく最下位じゃないわね」
「まあ、攻撃だけが全てではないですけどね。その辺は『守備編』とあわせて見て頂ければ・・・・」
ということで、数字データで見ると一目瞭然。
2018年のベイスターズの攻撃は、悲惨の一言に尽きるというわけだ。
これが、ラミレス野球である、『カウントをとりにくる球を積極的に打つ』の弊害なのか、それとも、それをやってもこの程度ということなのか。
「まあ、とにかく主軸の4人とそれ以外の差が酷かったということですね。その4人は長打力はあるけれど鈍足だから、HRでしか点になりづらい。その通りですよね」
「4人が出塁しても他の打者では返せない。前の打者が出ないから、この4人がいても得点は増えない、そうよねー」
「2017年は、倉本選手や戸柱選手が下位打線でうまく働いていたんだよね」
「そういうのが全くなかったもんね」
「2019年に向けてどうすれば良いのかしらね?」
「やっぱり、主軸4人意外じゃない? 4人はなんだかんだ打ってくれそうだし」
「梶谷が復活することと、桑原か神里がある程度打って走れること。そして捕手が2割5分。これね!」
「出塁出来るようにならないとねぇ」
「とにかく、そういうことを指導できる打撃コーチ、カモン!」
数字だけ見ると絶望しそうであるが、それでもやりくりしてきたというのがラミレスの強みではないだろうか。
底上げできる要素がないわけではない。
悪い点は反省し、2019年に活かすようにしてくれ。選手達よ!