2018年振り返り #00 スピードの片鱗は見せた 宮本秀明
「さあさあ、チームの振り返りが終わったら、これから選手の振り返りよ!」
両腕を交差させ、決めポーズを見せる結乃。
「……えーと、オカリン? シュタゲ?」
「ふぅーーーははは! よく分かったわね! セ界の支配構造を変革し、混沌を巻き起こす狂気のベイスターズ!」
「いや、なぜ?」
きょとんとする理衣。それもそうだ。
「まあ、気にしない。ということで、背番号順にいくわよ!」
「ということは、育成選手を除けば最後はソト選手に? あんな活躍したのに」
「だからこそ大トリってことでいいじゃない。さて、最初は?」
「えーと、背番号00だね」
00 宮本 秀明
出場試合 : 21
打数 : 25
打率 :.160
安打数 : 4
HR : 2
盗塁 : 4
「2017年のドラフト7位、宮本選手です!」
「ルーキーだからっていうのはあるけれど、ちょっと寂しいわね」
「でも、ヒットのうち半分がホームランだね!」
「ヒットがそもそも4本だけどね」
思いのほか、打てていなかった。
「でも、盗塁は4つ、代走として出場して盗塁を決めたり、足では見せてくれる部分もあったね」
「そこを買っての指名でもあったでしょうからね。何せ走れる選手が少ないから」
「そして意外と長打力もあったと」
「ファームでは月間MVPも取ったけど、外野やっているんだっけ? 外野は層が厚いし、どうするかしらね」
「二塁が本職?」
「宮本の二塁守備といえば、あの巨人戦、フライを追って転倒して、起き上がってキャッチした冷や冷やプレイ!」
「あれ、落としていたら負けていたよね?」
「引き分けの試合だったからね」
キャッチしたから笑い話で終わったが、あれで落としていたら本人としてもかなりダメージは大きかったであろう。
「ということで、今期の採点は・・・・」
「そんなことするの?」
「そりゃそうよ、振り返りなんだから。ってことで、40点!」
「辛くない?」
「甘くつけても仕方ないでしょう、社会人卒で戦力として期待した部分もあったしね。これを糧に頑張れ!」
「まあ、結乃の点数なんて本人には届かないけどね・・・・」
「さて、そんな宮本選手に来季、期待することは?」
「まずは控えの野手として1軍に帯同すること。内野、外野どこも守れて足も速いとなれば、目指すはスーパーサブ!」
「そこだけで良いの?」
「もちろん、レギュラーを狙ってこそよ? でも、現実線として最初はそこでしょう。外野は層も厚いしね」
結乃の言う通り、筒香、梶谷、ソト、桑原、神里。ざっとあげるだけでもこれだけいるのだ。
その中で宮本が魅せるべきといったら、足と、ユーティリティであろう。
足は梶谷、神里もいるので、差を出すならユーティリティさ。
「打力がつけば、その先も見えるわよね」
「意外とパンチ力があるのは分かったしね」
ファームでも月間MVPを獲得し、2019年は意外と本気で外野の一角を狙っていけるかもしれない。
「数字的には二桁盗塁を目指せ!」
「そして、初お立ち台とかね!」
「足が速いとか、何かモノを持っている選手は見ていてワクワクするわよね!」
2019年、結構、期待したい宮本選手であった。