2018年振り返り #15 やはり先発で頑張ってほしい 井納 翔一
いつも苦しい試合を任されてきた。
2018年、先発から中継ぎへと配置転換となった。
チームの為と納得したとはいえ、やはり先発に対する思いは強かったであろう。
便利屋のような扱いを受けたが、この男は先発の方が適性が強いのは確かだった。
「評価に困るわね、井納!」
「宇宙人だから?」
「そうそう、何せ何を喋っているかもよくわから・・・って、そうじゃなくて!」
ノリツッコミをする結乃。
理衣は苦笑している。
#15 井納 翔一
当番試合 : 24
投球回数 : 61
防御率 :3.54
勝利 : 6
敗北 : 3
セーブ : 1
ホールド : 8
奪三振 : 44
「チームとしてはパットン、康晃に繋ぐ7回に苦しんだ。先発は今永、濱口、ウィーランド、石田、東、そして若手といるから井納を中継ぎに回しても大丈夫と踏んだのは分かるのよね」
「中継ぎ適性もありそうだったんだけど」
「ただやっぱり、気持ちがそこまで乗らなかったようには見えるわね」
野球はメンタルのスポーツでもある。
特に井納は気持ちの部分も大きい選手に見えるだけに、先発への思いが消しきれなかったか。
「先発陣が壊滅、中継ぎでは三嶋がぐんぐん良くなったこともあり、先発にまた戻ることになったと」
「先発の方が良い感じだったね」
「ずっと先発だったしね。何より横浜では貴重なイニングイーターだし」
2018年、とにかくQSが少なく、それどころか7イニング投げられる投手も少なかった。
長いイニングを安定して投げられる先発投手は絶対に必要だ。
「井納は7回3失点を十分に投げられる能力あるからね。確かに、好投がいきなり打たれだしたりするけれど」
「それに、ここぞという時に強いよね」
「苦しいところばかりで投げさせられているともいうけどね」
何度も何度も菅野にぶつけられた。
敵地の苦しい試合に臨んだ。
それでも投げ続けてきたのだ。
「まー、ビジターの方が強いってのもあるけどね。そういった意味では強心臓というか、宇宙人というか」
「頼りになる、って言えばよいのかな?」
「ファンとしては、ホームで強い方が嬉しいけどね」
特に2018年は横浜スタジアムで苦しんだ。
狭い横浜スタジアムを味方につけられる投手を求めたい。
「チーム事情もあったとはいえ、ちょっと振り回された感はあったし、点数は60点で」
「微妙なラインだね。良くもなく、悪くもなく?」
「まさにそんなところね。でも来期は先発で評価だからね!」
若手の右腕が育ってきたとはいえ、まだまだ未知数。
だからこそ、井納に踏ん張ってもらいたい。特に、イニングイーターとして安定してローテを回してほしい。
「あとは、外国人選手との繋ぎ? なんでキャンプの時、井納は外人枠なのかしらね?」
「何を話しているのかなぁ。ていうか、通じているのかな?」
「その辺はフィーリングでしょう。やっぱ面白いわよね、井納」
宇宙人などと言われるが、キャンプで最もサインしている姿を見るのは井納でもある。
そういったところも良いなと思える。
「いつの間にかチームではベテランの域になってきたけど、老け込む年齢でもないからね!」
「そもそも宇宙人に年齢とか関係あるのかな・・・・?」