2018年振り返り #29 来期は頼むぜイケメン捕手! 伊藤 光
「イケメンのキャッチャー、光さん! キャッチャーでイケメンって、貴重だよね!」
喜び、手を叩きながら言う理衣。
そんな理衣に冷たい視線を向ける結乃。
「理衣ちゃんは、光が来てからそればっかりね・・・・」
呆れたように息を吐き出す結乃。
「だって、そうじゃない? キャッチャーってなんだか、体格良くてどっしりしたイメージが」
「でも、巨人の小林もいるじゃない」
「う・・・・でも、私的には光さんの顔の作りの方が好みだから!」
拳を握りしめ、力説する理衣。
イケメン談議に花を咲かせる二人は置いておいて、伊藤の成績である。
#29 伊藤 光
出場試合 : 47
打数 : 128
打率 :.195
安打数 : 25
HR : 1
打点 : 11
盗塁 : 1
「数字としては物足りないけど・・・・」
「仕方ないよ、シーズン途中に別のリーグから移籍してきたんだよ? 相手打者も、味方投手も分からないんだから」
「わ、わかっているわよ、それくらい。やけに力説するわね」
頬を膨らませて反論してくる理衣に、思わずたじろぐ結乃。
「だからまぁ、50点とこかしらね?」
点数をつけるのも難しく、半分というところにしてみた。
実際、捕手というポジションで別リーグからの移籍は大変だろう。
情報が圧倒的に不足しているだろうから。
それもあってか、移籍してからしばらくは、マスクをかぶっても痛打されることも多々あった。
その場面で、その打者に、そのコースに投げさせるかと思うこともあった。
だが、捕手としての技術は間違いなく戸柱や嶺井より上だと感じた。
「キャッチングとスローイングの安定。これだけ見ても、なんか違うと思ったわよね」
「なんか、見ていて安心したもんね!」
GG、ベストナインを受賞したのは伊達ではないということだ。
あとは、どれだけセリーグの打者の情報を仕入れ、味方投手の能力を掴み、試合に活かすかだろう。
「そのためには、この秋季キャンプと春季キャンプが重要よ!」
おそらくブルペンで色々な投手の球を受けまくるだろう。
「あとは投手による相性を克服しないとね。まあ、特徴を掴んでいなかったっていうのもあるだろうけれど」
パットンや山崎とは相性が悪かった。
セットアッパー、抑えと相性が悪いというのはやはり捕手として辛い。
「先発投手も、パリーグの強い球を投げる投手に慣れていたせいかもしれないけれど、そうでない投手だと強気の攻めで打たれていたりもしたわね」
「でも、学習して来期は活かすでしょ!」
「慣れたら、打撃にも期待したいわよね。別に3割打てとか言わない、2割5分よ!」
「でも光さんの打席には期待したいよね」
「打てなくても打席で粘ったり、進塁打を意識する打ち方をしたり、その点での打撃技術は間違いなく他の捕手より上よね」
ファウルで粘れる姿を見て、ちょっと感動したものである。
プロでの打数も2000近く、経験には圧倒的な差がある。
「シーズン後半、嶺井と併用ではあったけれど、能力的には間違いなく正捕手に一番近い存在よ!」
「オリックスさんも、よくトレードに出してくれたね」
「ていうか、よく二軍で塩漬けにしていたわよね・・・・もちろん、こっちも白崎、高城と出したんだから、活躍してくれないとね」
「お互い、Win-Winになると良いよね!」
伊藤としても、トレードが決まって「よし!」と思ったらしいし、それくらい出場に飢えていたのだ。
年齢的にも来期で30歳、衰える歳ではない。
オリックスを見返すような活躍を期待したい。
「それから、2019年は応援歌、できるよね。格好いい応援歌だといいな!」
「それは3月、オープン戦のお楽しみってことで!」
横浜で新たに光れ、光!