2018年振り返り #43 一軍登板なく悔しい一年 進藤 拓也
「進藤投手、2018年は1軍登板なかったね」
残念そうに肩を落とす理衣。
「実力よ! 正念場よ!」
腰に手をあてて胸を張る結乃。
なぜだ。
#43 進藤 拓也
当番試合 : 33
投球回数 : 42 1/3
防御率 :4.04
勝利 : 3
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 41
「ちなみに上の数字はファームの数字よ!」
「まあ、1軍登板なしだから、当然だよね」
「ファームでも、特筆した数字じゃないのがちょっとねぇ。なので点数は10点ね!」
「何がいけないのかな」
「うーん、コントロール?」
首を傾げる結乃。
大きな体を折り曲げて投げてくる、ちょっと変則の横手投げ。
球速はそれなりだが、コントロールはばらついているイメージがある。
「あとは、うーん、コレといったものが今のところ感じられないのよね。まあ、変則サイドスローってのがそうかもだけど」
「大きい体なのにもったない気はするけれどね」
「色々と試行錯誤して今の形になったみたいだけどね」
とはいえ、通用しなければ意味がない。
「ドラフト下位ということで、変則で獲得したんでしょうけれど、社会人卒だから即戦力としてとったのよ」
「ということは、3年目に入るから・・・・」
「ここが勝負どころね。何に活路を見出すか!」
基本は中継ぎ、1~2イングを任せたいところだろう。
「まずは敗戦処理、ビハインドで信頼を積み重ねていくことよ」
「そのために1軍で投げられるようにならないとねえ」
「2軍で無双するくらいじゃないとねー」
渋い表情をする結乃。
「個人的には、あの眼鏡が好きなんだけど」
「誰も理衣ちゃんの好みは聞いてなーい!」
「なんか、しゅっとして格好良いよね」
「だから、聞いてないっつーの」
その眼鏡での投球も、1軍にあがってこそ。
「待ってるから頑張って、進藤選手!」
「背水の陣よ!」