2018年振り返り #44 左の代打!次はチャンスに強くなれ 佐野 恵太
「左の代打の一番手になってきたね、佐野選手!」
にこにこ笑顔の理衣。
「まー、2年目はそれなりに頑張ったわね」
「また結乃は偉そうに」
反り返る結乃をみて、理衣は呆れたように苦笑する。
#44 佐野 恵太
出場試合 : 73
打数 : 126
打率 :.230
安打数 : 29
HR : 5
打点 : 14
盗塁 : 1
「一年目と比べると、かなり良くなったよね!」
「2017年は、打率が1割にも満たなかったものね」
「いきなりプロの壁にあたったねぇ」
そんな佐野が代打として使われていた2017年、代打成績はチームとして悲惨なものだった。
「2018年は、ホームランも5本も打ったしね!」
「パンチ力があることは証明してくれたわね」
「引っ張って鋭い打球、センターからレフトの方にも打ったよね!」
「強い打球が打てるっていうのが強みよね」
投手、そして球界全体の力が上がっている今、打者には強く振れることが求められている。
以前のように当てるだけ、ミートするだけではヒットに出来にくくなっている。
「だから、65点はあげるわ!」
「微妙だねぇ」
「だからこそ、佐野が使い続けられていたのよね」
「一時は、心もとないことを言われていたりしたよね」
「あー、ラミレスの愛人枠、とかね」
それもこれも、根拠があっての起用であったはず。
・・・・まあ、監督といえども人間なので、もちろん好みもあったとは思うが。
「それでも、ある程度の結果は残したもんね」
「まー、チャンスで全く打てなかった、ってのはあるけどね」
「そ、それは次の課題だね・・・・」
相手もそういう状況になれば攻め方も変わってくるし、力の入れ方も異なる。
そのような状況で打てなければならない。佐野に求められているのは、出塁よりも返す方だろう。
「あとは守備ね。代打も重要だけど、スタメンで出るには守備がね」
「ちょっと、見ていて怖いよねぇ」
「ちょっとで済めばよいけれど」
特に外野では、佐野の守備では長打になりかねない。
「オープン戦でも、ランニングホームランにされたこともあるしね!」
代打より上を目指すなら、守備の向上は欠かせない。
「まずは左の代打としての信頼度を向上し、定着させること!」
「そのうえで、徐々にスタメンとかも狙って、ってことだね」
「佐野がそれを目指すにはとにかく打つしかない。守備で取った選手じゃないから、守備は最低限でいいから!」
1年目と比較して、代打として出て来た時の期待度はかなり上がった。
それを更に上げることだ。
「・・・・ところで、ビデオ疑惑ってなに?」
「それは放置しておきなさい!」
野球で頑張れ、佐野!