2018年振り返り #65 いつまで未完の大器？ 覚醒せよ 国吉 佑樹
「国吉かぁ････」
のっけからなぜか元気のない結乃。
「ど、どうしたの。国吉投手だよ、元気出そうよ」
結乃の肩をつかんで奮い立たせようとする理衣。
「いやー、元気出そうとしているんだけどねぇ」
煮え切らない態度の結乃。
尚、国吉の２０１８年の成績は以下の通りである。
＃６５ 国吉 佑樹
当番試合 ： １３
投球回数 ： １６ ２／３
防御率 ：４．８６
勝利 ： ０
敗北 ： ０
セーブ ： ０
ホールド ： １
奪三振 ： １５
「ええーい、いつになったら覚醒するのよ！？」
「あ、爆発した」
いきなり両腕を振り上げて雄たけびをあげる結乃を、驚きつつも冷静に見つめる理衣。
「ファンがね、どれだけ国吉に期待をして来たと思っているのよ！」
「そ、そうなの？」
「そりゃそうよ、筒香と一緒に投打のけん引役になると信じていたファンは多かったはず！」
育成から支配下登録され、あの長身から投げ下ろされるストレートに魅せられた人も多い。
「国吉が投げて、筒香が２本塁打して勝った中日戦！ あの日、未来のエースと四番を確かに見たはずなのに！」
「あー、よく言っているやつね」
「あの山本昌に投げ勝ち、打ったのよ！ それがなぜこんなことに」
「未来の四番は合っていたね」
「これも、ドラ１と育成ドラ１の差なのかしら････」
力なくため息を吐き出す結乃。
「数少ない１０年選手なんだから、頑張ってもらいたいけれど、そろそろリミットでしょう」
「まだ期待しているから、１軍でも投げているんでしょう？」
「そうだけど、結果を出さないとね。広島戦で完封したときのように」
「また、昔のことを････」
「そうなのよ、鮮烈な記憶もあるからこそ、期待をしてしまうのよ！」
暗黒時代、光をともしてくれた筒香と国吉だったからこそ、期待が捨て切れれないのだ。
「でも、２０１８年もカープ戦でまさかの先発登板して好投してくれたよ」
「あれも、首を繋げる一つの要因ではあったわよね。でも、先発の枠はもう厳しそうよね」
「中継ぎでも、好投していた年があったよね」
「そう。だから、一軍で投げられる力はあるのだけど、続かないし安定感がね。メンタルかなぁ」
「大家コーチのカットボールでまた道が開けた部分もあるしね」
「点数的には難しいわよね。もとの期待値がそこまで高くなかったから････４０点にしましょう」
「まあ、良くはないよね」
「それでも、またあたしは見捨てないわよ！」
「でも、国吉投手がいると良いよね」
「また、イケメンだから？」
「そうじゃなくて。国吉投手って、いるのがすぐに分かるから」
「あー、明らかに他の選手より頭一つデカいもんね」
とにかく、一目見て「あ、国吉だ」と分かるのである。
「って、そんなことで目立っても仕方ない、野球で目立ちなさい！」
「絶対に、輝けるはずだもんね！」
そう、ファンはまだ期待をしているのだ。
まだ２８歳、今からでも遅くはない。
覚醒を待って早何年、２０１９年は１０年の節目、今度こそ覚醒するのだ国吉！
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