2018年振り返り #106 再び支配下を目指して 水野 滉也
「2016年のドラフト2位の水野投手だね」
「怪我もあって今は育成契約ね」
「うぅ、早く故障が治って支配下登録されると良いね」
「それは水野がイケメン枠だから?」
「もーっ、そうじゃないってば」
結乃にからかわれ、ぷくーっ、と頬を膨らませる理衣。
#106 水野 滉也
当番試合 : -
投球回数 : -
防御率 : -
勝利 : -
敗北 : -
セーブ : -
ホールド : -
奪三振 : -
「ドラフト2位で指名されるくらいだから、期待されていたんだよね」
「そりゃそうよ。あたしはよく知らなかったけどね」
「ルーキーの年に一回だけ一軍で先発したんだよね」
「4回と2/3で3失点とプロは甘くなかったけれど、良いところもあったのよね」
もう少し鍛えれば一軍でも面白いのではないか、そう思わせてくれただけに残念ではあった。
「でも、ちゃんと契約できて良かったわよね!」
「またそんな不吉なことを・・・・」
結乃の発言に、理衣は眉をひそめて文句を言う。
「投げられないんだったらねえ、そういう可能性もあるじゃない。怪我の状況が分からないのよね」
「でも、右肩の手術は終わって投げられる状態にはなりつつあるって出ていたよ」
「焦らずにやって欲しいけれど、余裕があるわけじゃないから本人は焦るでしょうね」
同世代の他の投手が結果を出しているのだ、内心では落ち着かないだろう。
「まだ状態が分からないけれど、2019年は支配下登録を目指すのが目標かな?」
「まあ、そうでしょうねぇ。少なくとも、二軍である程度の結果を残して、2019年のオフには、ってとこでしょ」
支配下の枠もそれほど余裕があるわけではない。
現実的には、故障を治すこと。
そして二軍で元気な姿を見せて、近い将来の戦力になるだろうと思わせることが重要だ。
「一軍で活躍すれば爽やかイケメンさんだし、女性人気も出るよ!」
「やっぱり、それじゃない・・・・」
ジト目で理衣を見る結乃。
「ち、違うよ、事実を言ったままだし」
「それなら、あたしも事実を言っただけだしー」
「うぅ、いじわるだぁ」
うるうると目を潤ませる理衣の姿に、思わず赤面する結乃。
とにかく怪我を治して這い上がって来い、水野!