「なんのよこれー!?」
結乃が絶叫して頭をかかえ、その場に崩れ落ちた。
見慣れている理衣であるが、それでも心配そうな表情を浮かべて声をかける。
「どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ! 何コレ、週明けから沖縄の天気、雨一辺倒じゃない!」
「あぁ・・・・本当だ」
「どういうことよー!?」
マイガー! とプラトーンのように両手を広げて天を仰ぐ結乃。
「でも、自然ばかりはどうしようもないんじゃあ」
「あれほど天に祈ったのに!」
しかし、祈りは通じなかったようだ。
「でもほら、完全に雨じゃなくて、一時雨とか、時々雨だし、希望はあるよ!」
なお、時々雨よりも、一時雨の方がまだ良いようだ。
「なんかもう、毎年のように天気がこんな感じよね。キャンプ序盤は天気悪いのかしら?」
「中盤以降の方がよいのかな?」
「でも、中盤以降だと試合メインになるのよね。あたしは練習が見たいから」
「となると序盤だね」
「天気が悪い!」
堂々巡りである。
「嘆いていても仕方ないわ、沖縄の天気は変わりやすいというし、そこに期待するしかないわね!」
「それって、山の天気じゃないの?」
「うるさいわね、願わなければ通じないのよっ」
はちゃめちゃではあるが、それくらいの気持ちで乗り込みたいところである。
とにかく、曇りでも良い、雨でも練習が中止にならない程度なら許そう。
頼むよ天気さん。