2019 春季キャンプ終了! MVPは今永と神里!
「あー、とうとう春季キャンプが終わっちゃったわね」
力なくテーブルに突っ伏して頬をテーブルの天板にべったりつけている結乃。
「ちょっと結乃、だらしないなぁ」
そんな結乃の様子を見て、理衣は呆れたように言う。
顔の角度を変え、顎をテーブルにつけるようになった結乃が口を開く。
「だって、また来年のキャンプまで1年待たないといけないんだよ?」
「いや、その前に半年間のペナントレースがあるからね!?」
理衣のツッコミが飛んだ。
「いくらキャンプ見学が楽しいからって、野球選手の本分は野球だからね」
「分かっているわよ、もう、言ってみただけじゃない」
「いや、どうみても本気だったけれど・・・・」
「そんなキャンプのMVPに選ばれたのは、投手が今永、野手が神里だったわ!」
何事もなかったかのようにテンションを上げる結乃。
「今永投手は、色んな人から、復活したといわれているよね」
「まー、本当に復活したかどうかは、シーズン始まってからの結果をみないとなんともだけどね」
「それはそうだけど、素直に受け取れば良いのに」
「本人も、『上茶谷でしょう?』なんて言ってくるくらいだしね」
【DeNA】今永、キャンプMVPに選出も「上茶谷でしょう!?」
「試合では最速151キロも出たとか。球速はともかく、以前のようにキレのあって空振りの取れるストレートが戻ってきたら、今永は復活よね」
「ルーキーの年とか、140キロくらいでも、バッターは凄く速いって言っていたもんね」
2018年は、球速は出ていても簡単に打たれていた。
素人には何が違うか分からないが、プロには分かるだけの違いがあったのだろう。
「今永が言う通り、上茶谷も期待できそうだけど、あくまでルーキー。やっぱりチームの浮沈に大きいのは、昨年活躍できなかった今永とかが重要よ!」
「本当に、期待しているもんね!」
「んで。野手のMVPは神里、と」
「打撃も好調で、本塁打も打っていたね」
「長打力が意外とあるのよね。でも、武器は足なんだから、長打もいいけれど選球眼、出塁率を高めて欲しいわね」
「塁にでてかきまわして、っていうのが出来ると、中軸打者が活きるよね!」
まだまだ確実性、三振の多さなどは気になる。
守備に関してもちょっと不安定さはある。
それでも期待は大きい。
「これで、外野手争いは一歩リードかしらね。もちろん、オープン戦はまだこれからあるし、他の選手の巻き返しもあるわよ」
「楠本選手、佐野選手も好調だし、梶谷選手の復活、もちろん桑原選手もあげていってほしいしね」
「開幕時、誰が外野を守っているか本当に楽しみね!」
キャンプの成果を皆、オープン戦にぶつけて欲しい。
「ということで、改めてキャンプも終わりですが・・・・」
「あっ!!」
と、そこで大きな声をあげる結乃。
びっくりしたように、理衣が顔を向ける。
「ど、どうしたの結乃?」
「いやぁ、最初に、キャンプが終わっちゃったから1年待たないと、って言ったでしょ?」
「うん、それが? やっぱりペナントの重要性を思い出した?」
「秋季キャンプがあるから、1年じゃなくて8カ月くらいだなって」
「だからその前にペナントレース!」
なお、2019年の日本シリーズは10月中に終わり、秋季キャンプとはかぶらないので安心ですね!?