2019年4月5日 巨人戦
結果:横浜2-3巨人
敢闘選手賞:今永
「ああーっ、負けた!!」
結乃が、がっくりと項垂れる。
「うう、やっぱりさすが菅野投手だね」
理衣もまた残念そうに言う。
菅野と今永の投げ合いは、菅野に軍配があがった。
2失点完投、さすがである。
「でもまあ正直、初回にいきなり坂本、丸の連発の2失点で、今日は負けたと思った人は素直に手を上げて! ハイ!」
「って、ちょっと結乃!?」
勢いよく手を挙げた結乃を見て、理衣が驚きの声をあげる。
「だって、理衣ちゃんもそう思ったでしょう?」
「そ、それは・・・・」
「ほうらね」
結乃が言うのも致し方あるまい。
なんといっても相手は菅野である、点を取るとしたらまぐれ当たりの一発くらいしかないだろうと思っていた。
そして勝利するにはそのまぐれ当たりの点を守り切る、即ち1~2失点が限界ということだ。
それがいきなり初回から2点のビハインドとなれば、勝てる可能性はぐっと下がる。
「と思ったらその裏、こちらはソト、筒香の連発でお返し!」
「凄かったね! 筒香選手のは特大弾!」
「これで試合を振り出しに戻したのは良かったけれど、案の定、それ以降は点が取れなかったわね」
肩を落とす結乃。
「それでも、今永投手も巨人打線を抑えたし!」
「最後、ゲレーロに打たれちゃったわね・・・・でも、責める程の投球じゃなかったのは事実ね」
だが、結局はそれが決勝点となった。
菅野に勝つにはやはり2点以内に抑えなければ厳しかった。
「もうこの試合は他にいうことがあまりないのよね。菅野を打てない、それだけだし」
「う、うーん。あ、でもほら、良いニュースもあるじゃない!」
手を叩きつつ理衣が言う。
「さすがロペスね! 守備範囲は狭くなっているけれど、自分の守備範囲はきっちり守る!」
「あとは、送球をさらっと捕球してくれるのがありがたいよね!」
「ベイスターズの内野送球は魔送球が多いからね。それを、当たり前のように簡単に取ってくれるのよね!」
1塁にロペスがいるから安心して内野陣が送球できるのもある。
「巨人には有難いといいたいけれど、負けたから悔しい!」
例え相手が菅野であろうと、悔しいものは悔しいのだ。
「初戦を落としたから次は負けられないけれど、京山か!」
「きっと、修正してくれるよ」
「あたしが現地観戦するのよ、気合い入れなさい!」
ということで頼みます本当に、京サマ。
「不安は、澤村のような剛球の荒れ球投手が苦手なことね。先発時代から打てていないからね」
「打線は徐々に登り調子だし、きっと打ってくれるよ!」
巨人を止めないといけないというのもある。
気合を入れろ!