10連敗で18連敗に並ぶ
「タイトル通りね、この10連休の10連戦、8勝2敗でいけば借金完済! どころか貯金まで出来るじゃない!」
「え、何をどうしたら、そんなポジティブな妄想が出来るの!?」
結乃の宣言に、さすがに理衣もツッコミを入れざるを得ない。
何せチームは8連敗中で、負け方も酷いものだからだ。
「何よ理衣ちゃん?」
じろり、とヘビ目で理衣を見る結乃。
「だって、もうちょっと現実的に考えた方が」
「じゃあ、10連戦あるからちょうど連休終わる頃には18連敗になるわね! あのロッテのように!」
「いやいややめてーーーーーっ!!!」
頭をぶんぶんと振って否定する理衣。
「え、だって、現実を見ろって・・・・」
「いやいやいや、違うでしょ、連敗を止めようよっていう」
「そうはいってもねえ、どうやって?」
素朴な結乃の疑問。
答えられる者はいない。
「てゆうかラミレス、やばいわよね。いよいよ、色々と批判がそこかしこのファンから出ているわ」
「まあ、連敗しているしねぇ」
「負けているのもそうだけど、やっぱり阪神との3戦目、9回の途中で光から嶺井に交代したのがねぇ」
大きくため息を吐き出す結乃。
「光としたら、あんなところで交代させられて、プライドも傷ついたでしょうし、ラミレスに不信感しかもたないでしょ」
「そう、だよねぇ」
「おまけに交代した嶺井でも打たれて嶺井もダメージくらって。ほんと、大丈夫かしら?」
伊藤のままで負けていた方が、遥かにマシであった。
「データ重視は分かるけれど、プレイしているのは人間なのよねぇ」
それでも勝っていればまだ良い。
2018年からの不信感が、この連敗で増幅していないと良いのだが。
チームの内情は分からないが。
「そういうときこそ井納! 空気を読まずに頑張って欲しいわね!」
「チームが困っている時に勝ってくれるイメージはあるよね!」
「そううまくいかないのは分かっているけれど、期待はしたいわ。まあ、井納が0に抑えてくれないと、打線はどうせソロホームランの1点くらいしか取れないから勝てないでしょうけれどね!」
「あうぅ」
全くタイムリーの出ない打線は、どうにかならないものなのか。
「ということで、打線を考えてみたわ!」
「また!?」
1.神里(中)
2.柴田(二)
3.梶谷(右)
4.筒香(左)
5.ロペス(一)
6.中井(三)
7.伊藤(捕)
8.大和(遊)
「序盤は左打者、後半は右打者ラインナップ!」
「また極端だね」
「もーいーわ。適当に組んで。はぁ」
「やる気出そう!」
さあ、いよいよゴールデンな10日間の始まりだぜ!