2019年5月5日 阪神戦
結果:横浜5-7阪神
敢闘選手賞:なし
「もういいわ、阪神戦は残り全敗でいいから、試合しなくていいわよ」
「ダメダメ! ちょ、結乃、投げないで!」
クッションをベッドに投げつけ、結乃はくさる。
理衣はどうにか諫めようとする。
「ホント、エキサイティングなGWになったわよ!」
阪神にとっては、ベイスターズ戦はボーナスゲームだろう。
勢いのつく勝ち方を献上しているのだから。
「阪神が、どうぞ勝ってください、とばかりにやっているのに、全く勝てないんだから!」
1イニングに3失策、1野選をしているのに1得点しかできなかったり。
「なんでこんな下手くそなの!?」
結乃の怒りは消えない。
「・・・・ふう、とりあえず落ち着きましょう。まあ、考えてみればよく戦ったわよ!」
「いきなり発言が」
「考えてもみて? そもそも阪神戦のローテが阪口、バリオス、京山よ? 相手は西、メッセがくるのに。3連敗は必至、むしろ2試合もあとちょっとで勝てそう、勝てるかも、というところに持ち込んだのだから!」
「あー、そういう風にも考えられるのかー」
ほえー、とする理衣。
「それだけじゃないわ! 他のローテ投手が、今永以外が上茶谷、大貫のルーキー! これで、誰で勝てると思う!?」
「・・・・今永投手」
「そう、だから、今の借金8というのも当たり前なのよ! 何せ今永しか勝ちを期待できないのだから、むしろ大貫がよく2勝してくれているわ、素晴らしいじゃない!」
「うわー、すごい前向きー」
理衣が棒読みで言う。
「ちなみに、あたしはベンチの作戦とかにあまり文句言いたくないんだけど、これだけ負けると言いたくもなるわ!」
「たとえば?」
「ロペスの3番はなんなのかしらね。不調だから、後ろに筒香、ソトを置くことで勝負してもらえるように、ってことかしら?」
「心配だよね、ちょっと」
特に打点が少ないのが気になるロペス。
「他にも先発とかね、まあ、もちろん色々考えたうえでの選択しているとは思っている。問題は、チーム全体が納得しているのかってところよね!」
「観ているファンからは分からないけれど、ちゃんと内部で合意できているか、ってことだね」
「それが出来ているならいいわよ! 負けているから良くないけど!」
そうも言いたくなるのは、外からだとバラバラに見えてしまうから。
「まあ、負けている時はそう見えてしまうよね・・・・」
例えバラバラでも、勝っていれば外からはそうは見えない。
そういうものであろう。
「これで阪神戦6連敗!? はいはい、例年通りね」
もはや匙を投げている結乃。
「打線解体しないと駄目じゃない? いい加減、鈍足4人をつなげたところで点にならないと理解しないとね」
「でも、どうするのかっていうのがあるよね・・・・」
「長距離砲は2人いれば十分ってことね。あるいは、長距離砲でも、足もないと駄目ね」
ヤクルトの山田やソフトバンクの柳田みたいな選手はそうそういないとはいえ、全員鈍足ではどうしようもない。
「ということで、打線を考えてみよう!」
「また?」
「いいから!」
1.大和(遊)
2.石川(二)
3.ソト(一)
4.筒香(左)
5.神里(右)
6.宮崎(三)
7.桑原(中)
8.伊藤(捕)
「ロペスは不振だから外す! そろそろ桑原戻れるんじゃない? 守備も考えて入れる。意外とパンチのある神里を5番!」
「はぁ、思い切ったねぇ・・・・」
「もうね、今の打線、打順じゃあ点が取れないって、データが出ているじゃない!」
「石川選手を戻したね」
「ちょっと打てないからって変えてどうすんのよ。大体、スアレスと西は他の野手だって打てていないんだから、そもそもソトのセカンドはやっぱり無理よ!」
とはいえ、ライトも恐いが。
「もうね、一発長打でってのはやめなさい! それで勝てるならいいけど、勝てていないんだから!」
さて、借金10もすぐに届きそうである。
この後、チームがどうなるのか、立て直せるのか、そのまま落ちていくのか。
いずれにしても見届けたい。
「うがーーーーー!!! 負けるのは仕方ないところあるけれど、バントはできない、ランナー出せば併殺、四死球で自滅、相手のエラーは活かせず自分達のエラーでは簡単に失点と、見ていてストレスが溜まる試合ばかりなのよ!」
凡事徹底。
空しい響きに聞こえるのをどうにかしてください。
せめて、東の復帰で雰囲気が変わればと思うが、投手が頑張っても打線が、ですかね。