「なんと、今シーズン初、雨天中止!」
ポンチョを着た結乃が言う。
「残念だけど、休養と思いたいね」
理衣が雨粒の落ちてくる天を見つめて言う。
「何度か雨天中止になりそうな日があったんだけど、意外と雨が弱かったり、それていったりしていたのよね」
「それが良かったのか悪かったのか分からないけれど・・・・」
「どうかしらねぇ。まあ、ローテが足りないから、そういう点では良かったけれどね」
この中日三連戦でさえ、誰が投げるか見えていなかったのだ。
「東投手がスライドで、その次がローテ通りなら大貫投手だね」
「まあ、週末の3連戦も人がいないけどね。それでも、誰が投げるにしてもチャンスと思って欲しいわよね!」
今、ベイスターズのローテはガラガラなのだ。
「でも、相手もずれるのよね。これで大野とロメロがくるわけでしょ、うん、打てなさそうね!」
「まだ対戦してもいないのに!?」
「だって今季復活した大野にはこの前も抑えられたしねぇ」
前回はカープ打線を完封し、球も力強い。
スタミナもあり、早打ちのベイスターズ打線ではすいすいいかれる可能性もある。
「とーにーかーく、これ以上、ずるずるといかないために東には今度こそ復活好投を期待したいわね!」
「そして濱口投手も次週くらいに戻って来られそうだし、そうすればローテは結構落ち着くよね」
「まー、課題は中継ぎと得点能力のない打線と、へっぽい守備なんだけどね、って、殆ど全てじゃない!」
ポンチョの裾を振り乱して憤る結乃。
水滴が顔にかかって理衣がしかめっ面をする。
「中継ぎに関していえば、ファームで好投した砂田があがってくるようね」
「なんとか助けてもらいたいね、三上投手が手術で戻ってこられないだけに」
「何気にブルペンリーダー的な三上がいないのも痛いかもね。あの性格は、雰囲気をよくしそうだしね」
「そういう、雰囲気を良く出来る選手がちょっと少ない感じだよね」
「高城とかいないのが痛いわよねー。もちろん、光が駄目って言っているわけじゃないわよ!」
それでも、存在の大きさをなんとなく感じてしまう今日この頃。
「さあ、しゅんとしていても仕方ない、ブルーライトシリーズだし、明るく、勝つわよ!」
「ゲストさんも来てくれるしね!」
初日、ゴールデンボンバーは残念だったが、まだ2日ある。
楽しみ、そして勝ちたいぞ!