2019年6月8日 西武戦
結果:横浜7-3西武
敢闘選手賞:井納
「よーっし! セリーグ一人勝ち!」
最後の一人を打ち取ったところで、結乃が飛び上がるようにして言う。
「交流戦はこれがあるよねー」
理衣が隣の席で手を叩いて喜んでいる(※尚、実際に知ったのはもう少し後の話です)
やはりセリーグが苦しんでいる交流戦。
その中でこの日、ベイスターズだけが唯一勝利した。
一気に他のチームとの差を詰め、広げることができたわけだ。
「やっぱり、あたしが現地観戦すると勝つわね!」
「開幕二戦目で負けて以来、ずっと勝っているもんね」
理衣に言われ、得意そうに胸を反らす結乃。
「今日はなんだかんだ井納ね。あの西武打線を相手に6回2失点だからね」
「初回に2失点したときはどうなるかと思ったけれど、その後は良かったもんね」
「相手の早打ちに助けられた分もあるけれど、勝つことが何よりよ」
「やっぱり井納投手がいてくれると、いいよね」
手術明けのシーズンだからなんともいえないが、イニングをくってくれる右腕としていてほしいわけである。
「それにこの試合では、同点タイムリーまで打ったしね」
「無視2,3塁だったからね。1点で終わらず2点目まで取れたのは大きかったわ!」
「あそこで繋がって、桑原選手の勝ち越しタイムリー!」
「久しぶりのスタメンで、結果を出したのは良かったわね」
「守備も安心して見ていられたしね」
初回の中村のタイムリーも、追いついてシングルで止めていた。
何気にこういうのも大きい。
「守備力的にはセンター桑原の方が良いんだけど、神里の経験かしらねぇ」
「切磋琢磨してほしいよね!」
最近、めっきり打てないソトを外して桑原を入れたのは正解だった。
暑くなってきて、体が動くようになってきたのか?
「まあでも今日も、残塁ばっかだったけどね」
「タイムリーも出たじゃない!」
「三度の満塁ではタイムリー無し! 押し出し2つだけよ」
「んー、でもほら、相手の守備も良かったし」
「いい守備を幾つも見せられたわねぇ」
打つだけのチームでないことは、見ていても良くわかった。
「ま、でも、それでも勝ったのはベイスターズだけどね!!」
そういうことである。
「モーガンも見れたし、メヒアの応援歌も十分に聞けたし、そういう意味では文句なしね!」
「モーガンさん、髪の毛生えていたね」
「違和感しかなかったわね!!」
やはりモーガンはスキンヘッドが良く似合う。
「長田さんも久しぶりに見れて嬉しかったね」
「二人のお立ち台が懐かしいわね!」
「そしてメヒアの応援歌! 個人的には銃に球団で一番格好良い応援歌だと思うわ!」
「ゲームのボスキャラ戦のBGMみたいだよねー」
「打席も長く、たっぷりと聞けたわ!」
ノリノリで口ずさんでいたのは内緒である。
点差がもっと少なかったら、そんな余裕はなかったであろう。
「さー、この調子で勝ち越すわよ!」
「上茶谷投手、連続での好投を期待だね!」
「背番号27、モーガンの力を借りなさい!」
セリーグが苦戦している間に、勝とう!