「試合がなくて少し日があくから、今日はとりあえず交流戦を軽く振り返るわ!」
「勝ち越したし、気分も良いしね!」
「そーゆーこと!」
理衣のあいの手を受けて、結乃が得意げに頷く。
<交流戦成績>
10勝7敗1分
全体:4位
セリーグ中:2位
「巨人とは少し開いたけれど、他の上位球団とは差を縮め、下位球団とは差を広げたわ!」
「嬉しいよね、こういうの!」
パリーグと戦っても決して引けをとらなかった。
特に、得点力が低いだけに、接戦を取れたのが大きかった。
「なんといっても、各球団のエースに勝ったのよベイスターズは!」
「おー! ぱちぱちぱち!!」
結乃の宣言に、理衣が拍手で応える。
ソフトバンク:千賀
楽天:岸
日ハム:上沢
ロッテ:涌井
オリックス:山本
「・・・・西武がいないけど?」
「西武はエースいないからね!」
とはいえ、あの山賊打線を相手に勝利したことも事実である。
「最初のカード、パリーグ最下位のオリックス相手に負け越した時はどうなるかと思ったけどね」
「西武戦にかけて3連敗したもんね。あの時は、また今年もかー、って思ったもんね」
「あたしは思わなかったわ!」
「強気!」
だが、西武戦に勝ち越したことで流れは変わった。
結局、負け越したのはオリックス戦だけだったのだ。
「東、濱口と抜けていく中で、本当によく勝ち越したわー」
「ルーキーの上茶谷投手、平良投手や、最後に炎上しちゃったけど大貫投手とか頑張ってくれたもんね」
「そして中継ぎ陣、特にラミレスもMVPに選んでいたけれどエスコバーの大車輪の活躍ね!」
「困ったらエスコバー投手、みたいな感じだったもんね」
「後半戦に向けて、大事に使いなさいよ!」
まだ若い、160キロ近いストレートを投げる剛腕左腕。
はやく、来期の契約も結びたいくらいである。
「打撃陣では神里が好調キープ! まあ、走塁と守備は酷いもんだけど、打撃で勢いをつけてくれたことは事実ね」
「そして不調だったソト選手が後半からHRを量産!」
「得点力の低さはどうしようもないから、一発の打てるソトは結局、必要なのよね」
打線がかみ合ったとまではいえないが、最低限の点は取れていた。
「課題は4番、筒香! どっか悪いなら二軍で調整してきなさい!」
「確かに、交流戦で一気に悪くなった感じだもんね」
「このままじゃ本人だって辛いだけでしょ。まあ、4日休んで試合に出すでしょうけれど、そこでも同じようだったらラミレスも決断しなさいよね!」
打線が切れてしまっているのは間違いないのだ。
「ということで、2019年の交流戦はまずまずの出来ね!」
「上出来じゃないの?」
「優勝もできたはずよ! そういう気概でいかないと、断トツ最下位になっちゃうわよ!」
いずれにしても交流戦は既に終わったこと。
気を入れ直して、リーグ戦に戻ろう!