2019年8月29日 ヤクルト戦
結果:横浜4-2ヤクルト
敢闘選手賞:梶谷
「石川クジ、きたーーー!」
1回裏の攻撃のことである。
先頭の石川がヒットで出塁すると、結乃と同じように思った人も少なからずいたのではなかろうか。
石川クジ。
それは先頭打者の石川が初回、最初の打席で出塁するとその試合に勝利する、というものです。
「そうなると良いよね」
という理衣は、もちろん勝利を願っているが、そう簡単にいくものではない。
事実、初回の満塁のチャンスを逃すとその後は得点の機会なく。
逆に、それまできっちり抑えていた井納だがミスもあって1安打で先制されたりで2失点。
流れはよくなかった。
しかし、6回の裏。
逆に相手のミスがあって無死満塁。
打席には、失点につながるエラーをした柴田。
「最近は打撃好調とはいえ柴田だし・・打ったぁーーー!?」
「同点タイムリー!」
あっさりと、同点のライト前ヒットを打ち、エラーを取り消した柴田であった。
「しかもまだノーアウト! この勢いで勝ち越しよ!」
「イケイケだね!」
「そうそう、イケイケ・・・・って、神里ぉおおおっっ!!」
2度目のチャンスの打席でまたも凡退、最悪の併殺に倒れる神里であった。
それでも、ベイスターズは粘り強く戦う。
チャンスを逃した後にはピンチあり、石田が1死2,3塁のピンチを招くと、まさかの申告敬遠で青木勝負。
誰もが、「またか」を想像したと思う。
しかし、「まさか」の併殺打で無失点に切り抜ける。
ここが、キーポイントだったか。
再び流れが変わった7回裏。
「梶谷選手の勝ち越しタイムリー!」
「このまま勝って、カジのお立ち台よ!!」
「でも、また国吉投手!?」
僅差となれば投げられる投手は限られている。
酷使となってしまっても、負けられない戦い、投手はマウンドに上がる。
「国吉、エスキー、ありがとーーーー!」
「1球で終わって良かったわー」
ヤクルト打線も空気を読んでくれたのか?
国吉4球、エスコバー1球と、まさかの5球でチェンジであった。
投げたことに変わりはないが、球数が少ないのは助かる。
「これで神宮での3タテの借りは返したわよ!」
「やったね! でも、巨人さんも負けないね・・・・」
「3タテして1ゲームしか縮まらないか・・・・って、カープはローテ入れ替えて何やっているのよ!?」
大瀬良がまさかの10失点大炎上で負け越していた。
「・・・まあ、相手のことはどうしようもできないから。それより、また次のカープ戦に向けてよ」
「石田投手が中継ぎに戻って、中継ぎ的には楽になるけれど、先発は苦しくなるよね」
「ただ6連戦はもう1回だけだからね。先発の数を減らすのは作戦としてはありよ。これからは悪かったらどんどん交代させる方向になるでしょうし」
「3連勝したけれど、国吉投手、エスコバー投手、山﨑投手は3連投だもんねぇ」
「濱口、このところ打たれているから次は長いイニングを頼むわよ!」
「巨人さんに負けて消沈しているカープさん、打たれてください!」
「さあ、いざ広島!」
チームの雰囲気は良い。
打線は梶谷が戻ってきて少しよくなり、細川や柴田の脇役が頑張ってなんとかやっている。
あとは、生命点である中継ぎ陣が最後までもつかどうか、かもしれない。