「阪神が怒涛の連勝で、最終戦に勝利すれば本当に３位になるわ！」
試合結果を見て、結乃が唸る。
「ここにきて阪神さんの投手陣が半端ないね！」
理衣も驚きを隠せない。
これでとうとう最終戦にて３位が決定する、見ている方としては燃えるし、ドキドキする展開になった。
しかしベイスターズファンとしてはヤキモキするところ。
何せ阪神が勝ったら、ハマスタで阪神戦のＣＳである。
「前にＣＳで阪神に勝ったけれど、あれは甲子園で、それに雨で流れも変わった感じあったしね」
「あの、世紀の泥仕合っていわれた試合だねー」
思い出す結乃と理衣。
あの試合はとにかく、寒かった。
「これ、阪神が勝ち上がって来た時に勝つイメージがわかないわ！」
結乃が目を見開き、頭を抱え、喘ぐように言う。
「もっとポジティブに、ポジティブにいこうよ！」
理衣が励ますも、具体的なことは出てこない。
「最終戦も、まあモチベーションが違ったとはいえ、てんで駄目だったし！」
「ほら、ＣＳとなれば戦い方も変わるよ！」
「変わったところで、阪神投手陣を打てないし！」
短期決戦となった時、相手を圧倒できる投手が２，３人いると強い。
西、青柳と、ベイスターズが苦手にしている先発を出し、ドリス、ジョンソン、藤川と、ベイスターズが打てない中継ぎ陣を出されたら、手も足も出なさそうだ。
「本当に阪神が勝ち上がってきたら、ロースコアで、それも早い回にリードした状態で後半にもちこむしかないわよ！」
「悲観的だね！」
「今の阪神の勢いを見るとねー」
「でもほら、ここで力を使い果たして、ってことも」
「それでもハマスタなら力を出すんじゃない？」
「こっちのホームなのにね････」
といっても、まだ３位が確定したわけではない。
「最終戦は中日も大野が登板！ 最優秀防御率と二けた勝利がかかっているから、本気でいくはず！ いってほしい！」
「問題は、中日さんは５位が確定しちゃっている点だよね」
ただ、大野の防御率だけであれば短いイニングで下ろすかもしれないが、二桁勝利がかかっている。
ならば本気で勝ちにくると信じたい。
「しかし、阪神よりもカープに来てほしいと思う球団も珍しいでしょうね」
「うーん、確かに」
それでも、阪神よりまだ広島の方が勝つ確率が高いのは事実だろう。
「とにかく、最終戦、括目せよ！」
「ベイスターズの試合じゃないのにね」
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